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June 01, 2004

「アメリカへの手紙」

「アメリカへの手紙」

数日前、友人達とともに私はユニバーシティとガイスト(フェアバンクスの通りの名)の交差点に立っていた。戦争へ急ぐ政府の姿勢に抗議するプラカードを持って。
耳を傾ける人は?
通りの向こう側にはふたりのGIが、「わが軍隊を支援しよう」の旗を振る。はっきりさせておこう。これはもうひとつの無意味な戦争に対する抗議であって、戦場で命を落とす若い兵士に対するものではないのだ。

はためく国旗を見ていると、かつての国家への忠義の誓いを思い出す。 そのころ、まだ若かった私はベトナムやカンボジアのジャングルの上を飛んでいた。 国のためにつくす誇りにあふれて。 今、私はアメリカ人であることを恥じる思いだ。アメリカよ、お前はどうなってしまったのだ。私の心は涙であふれている。

今でも正義と平等と友愛の気高き理想を掲げる我々の国旗を、お前は欲と利己主義と自己欺まんの下水管に捨ててしまった。 いのちそのものののエッセンスさえもう我々の身体にはそぐわないほど汚染された我が国の河川に流してしまった。

石化エネルギーで煙り、暖められた汚れた大気の中に乾してしまった。 そしてただ傍観するのみ。ローマが燃えているのを見てお前は鼻歌を歌っている。

多くの人々を犠牲にして、一部の者の利益を守ることが国民のためだと言う。 軍縮条約をはき捨て、地球温暖化防止の合意にも背を向ける。 創造主よりも金の神を崇め、物資の豊かさを追い求めるあまり、自国や他の国の本当に助けが必要な人々が目に入らない。

恐れからお前は、軍隊や軍事産業自身のためにしかならぬ無数の爆弾や銃弾やミサイルを吐き出し、これを正義と呼ぶのか。 基本的な衛生管理さえままならぬ貧しき社会が世界にあふれているのに、お前は巨万の富からわずかなほどこしだけを与え、世界を救えるというのか。

対人地雷で脚を吹き飛ばされたアフリカの子供を腕に抱えて運んだことがある。 お前は地雷廃絶条約すらも拒絶する。 なんたることだ。 エルサルバドルの首都のゴミ集積場で身体を洗うこともできぬ子供を膝の上に乗せながら涙を流したこともある。 世の中のひずみの中で、「世界のゴミタメ」で生きることを余儀なくされたこどもたちがいるのに、お前は世界の贅肉を食らって生きてる。

正当な手続きも、根拠も、希望もなく、我々の「敵」をかくまっているとして、キューバを悪の巣くつにしたて上げる。彼らもまた、お前と同じように心を傷つけられた人間なのに。

恐れから、お前は市民から自由を奪う法律をつくり、それを「愛国法」と呼ぶ。 ためらいもせず、お前は劣化ウランの爆弾を使い、(正義の)目的のために手段を選ばずという、偽りの知恵をもった者たちの過ちをくりかえす。 技術だけが進歩し、それを使う精神が病んでしまっていることに気づかない。

自分の心の中のかげりに気づかずに相手を悪党と決めつけ、戦争の種を絶やすより先に戦争を始める。そんな国家にお前はなってしまった。特権階級の、特権階級による、特権階級のための政府を持つ、敬われるより恐れられ、愛されるより厭われる。そんな国家にお前はなってしまった。 「すべての人民のための正義」という気高い理想は、「われわれだけのための正義」となってしまったことに気がつかない。

私は、われわれの国家の礎である、高き理想を取り戻すことに忠義を誓う、その志を見失ってしまった国家の旗にではなく。 私は、人類共通のヒューマニティに忠義を誓う、人々を分断する人工の境界線にではなく。私は、思いやりに満ちた、真に人民のための正義に忠義を誓う。 私は、不平等や貧困や病気や絶望など、戦争のもとになりうるあらゆる問題の解決を真っ先にめざす人々の努力に忠義を誓う。 そして、よい方法のみがよい解決をもたらすというシンプルな知恵に忠義を誓う。戦争は人間の問題の解決方法には、断じてならない。 私は永遠に忠義を誓う
、聖なる力-愛に。

誰がならず者国家だって? アメリカよ目を覚ませ! それはお前なのだ。

by ドンロス

ドン ロスはアラスカ、フェアバンクスに長く住み、元ブッシュ・パイロットである。
(訳責:土岐 帆)

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Comments

はじめまして、mossarin です。
私は、アメリカ人の気高さを信じています。
正義は一歩間違うと凶器になってしまいます。
世界は何が正義か、
もう一度じっくりと検証する必要に迫られているように思います。

こんにちは。mosarinさん。
華氏911が全米でヒットしているというアメリカは
もう一度信じてみてもいいように思っています。
ブッシュを再選させるほど、アメリカ人は馬鹿では
ないでしょうね。

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