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September 06, 2004

この星を呪う前に--チェチェン人が残虐なのではない

今回のロシア学校占拠事件のすさまじい惨禍を見ると、この星に生まれたことさえ
後悔したくなる。

だが、忘れてはならないと思うのは、このことをもってチェチェン人全般を、テロリストで
あるとか、残虐な人々であるという風にひとくくりにしてはならないということだ。


chechnya.jpeg

私たちは、人や物を属性でグループ化することを好む。特に国際社会のようなスケールで物事を語るときに、国家や民族でグルーピングしたほうが、語りやすいのだ。
しかし、今度のような場合、いや今度のような場合こそ、これをこらえようではないか。
国家や民族で人を語ることは私たちの歴史に、豊かな彩りを与えてくれた。しかし反面、それは私たちの心を悪魔にも引き渡してきた。

ヒットラーのユダヤ人虐殺、ポルポトの大虐殺、ルアンダのツチ族とフツ族の対立による内戦、そしてボスニアヘルツェゴビナ。枚挙に暇がない。

人は人を目で見、言葉で会話し、心を諮る。人には様々な性質を持つものがいて、残虐
な性質を持つ者、邪気を放つ人々がいる。

しかし、「残虐な民族」「邪悪な民族」などというものは、本来存在しないのだ。

筆舌に尽くしがたい、ロシアの学校の廃墟と流血に触れて、もう一度それを確認しようではないか。

苦しくとも。解は他にない。

残虐な今回の一味にも決して組しないことを自戒しながら、チェチェンで何が起きているのか知る必要がある。

実際チェチェンは無視されつづけ、苦しんできた。この世界の情報は、人の数や真実の
性質によって左右されるのではない。国力や戦略によって情報は操作され、調整されるのだ。
そうだ、世界には大国が発する情報が、嘔吐するほど満ち溢れ、小さな国家や、
発展途上の国で何が起きているか、どんな苦しみがあるのか、私たちの耳に入ることはめったにない。

情報は発する国の国力に比例して世界に伝播するのだ。それも悲しい現実である。

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Comments

トラバ有難うございました。
ふぐ屋のHamaです。

世界はまさに
 殺戮の歴史です。

 ロシアで殺されたこども、
 イラクで殺されたこども、
 同じ罪のないこどもたちです。

 なのに、
 イラクのこどもを殺したアメリカ軍を
 テロと言う人はいません・・。

 

TBありがとうございました、床屋のコングBAです。
最近ノー天気な記事ばっかり書いていると、必ずニュースでテロの続報が目に入るんです。でもそんなに自分が語れないのでせめて忘れてはならない、と一度記事にしました。
ある現地の保護者が「子供を犠牲にすることは何の理由があってもすべき事ではない」と。
惨状が明らかになっていく今、想像絶する惨さに現実なんだと言い聞かせています。仰せの通り、
{しかし、「残虐な民族」「邪悪な民族」などというものは、本来存在しないのだ。}
ですよね。結局はイスラムの精神、日本人には存在しない宗教心の強さも加味しているように思えるのです。
正義感を出した少年は間髪入れず、射殺されたというではありませんか。なんとも言えません。憎しみからは何も生まれてこないのに。悲しいです。

TBを頂き、ありがとうございます。
ただ、意図がよく分からないところもあります^^;ので、「私がチェチェン側を悪ととらえている」ということでTBを頂いたのではないかとの想定の元で、補足をしておきます。

アクエリアンさんのとこのコメントにも書いたのですが、私のエントリーの軸足は、チェチェンがテロで悪とか、ソ連が悪とかそういう観点にはなく、(旧)ソ連の軍事力には「話し合い」は紛争解決手段にならず、チェチェンは「軍事力」で対抗したという事実、そして今回の事件で実行部隊の一人に向けられた13歳の少年の「言葉」は無力だったことを見て、紛争は「話し合い」で解決できる、そして「軍事力」は不要でこの世から無くせるといった(たぐいの)、blogのエントリーに「真実」が見えないということへの疑問です。

もし、単純に関連するエントリーでTBを送られたということでしたら、聞き流しちゃってください。

最後に、もう一度TBいただいたことに感謝。m(_ _)m

>コングBAさん
>呟く者さん

コメントありがとうございます。
私は、こうした悲劇をなくすためには、即軍事力を廃絶しなければならないとは思っていない人間です。
長期的にはともかく、短中期的に全ての軍事力を廃絶することは世界の混乱をさらに広げると考えています。

ですから、今回のような出来事をなくすために「平和主義で即対応すべきだという人間でもありません。

有無を言わさぬ暴力に対して、力で対抗しなければならないこともあると思っているからです。

むしろ私の基本としていることは「起きていることを正しく知る」ことから全ての事象は始まるということです。

お二人が共通に話題にされている13歳の少年ですが、確かに彼は勇気有る行動をとったと思いますが、いかんせん、死を覚悟して圧倒的暴力で侵入したこの暴力集団に対抗するには、未熟すぎました。

ですが、このことはもちろん彼の無力を必要以上に強調するもではありませんし、また
(あるいは私の基本的立場にもかかわらず)
呟く者さんの言われるように、「話しあい」解決の無力を証明する出来事でもないと思います。

一つの悲劇ですが、やはり一つの悲劇としてこうして世界に彼の行動が報じられていますし私たちはこうして彼の行為について議論します。
それは一つの大きな意味のある行為であったと(自分の立場とは別に)思います。

ぎりぎりのところで「話し合いによる解決」の可能性がもしあったとすれば、それが絶望であったと考えるには、性急でありましょう。


トラックバックありがとうございました。
「人や物を属性でグループ化することを好む」というのは
まったくそのとおりですね。
ほどほどに安全な使い方をしてるうちはいいのですが
差別的で排他的で制度的になってくると
いけませんね。私も気をつけねば・・・

トラバありがとうございました。

今も戦争やテロは終わらず、世界のどこかで犠牲になる
人々がいます。命の重さに変わりはないとはいえ、やはり
母親という立場では子どもの命が奪われている惨状に一番
敏感に反応してしまいます。

話し合いでは結論のでない複雑な問題、その度に力の解決
という歴史は全く変わらない、人間は何も学んでいない。
その実情に悲しみと憤りを感じつつ、ただ祈るばかりです。

テロを起こした若者達には、麻薬が使われているらしいと
いう情報もあります。正義だけでは無い何か、彼らを駆り
立てる異常なもの、それこそがこのような悲劇を起こして
しまうような気がします・・・。

人は増えすぎて、ストレス状態なのだろうか、という悲観
的な考えさえ浮かびます。ものを知らない者のつぶやき
ですが。

TBありがとうございます。

弱者ばかりが犠牲になる世界につい目を背けたくなってしまいがちです。

けれど、毎日溢れるほど流されている情報があるのにも拘らず、
伝えてはもらえない真実があることもまた事実で、
知らないことが多過ぎるのを恥じています。
取捨選択ができる目を養うためにも、
目を背けず、もっと世界を知る勉強しなくてはいけないと痛感しています。

BigBenさん はじめまして
TBありがとうございました。
ちょうど平和主義についてコメントがありましたが、平和を望む者でも今ある物(軍事力)をない物として語る事はできないでしょう。
しかし,今以上に積み上げてしまえば,今以上の願いに反する「必然」が生まれると言う現実も忘れてはいけないと思います。
今起こっている様々な紛争はそんな事を訴えているような気がしてしかたがありません。

トラックバックありがとうございました。事件発生後の体育館内の映像が公開されるなど、今回の事件の悲惨さが明らかになり、「犯人たちには交渉をするつもりなど毛頭なかったようだ」というTVの解説等を聞くにつれ、自分の記事に書いた意見が内心ぐらつく(「あんな奴らの言い分も聞かなければならないのか?」と人に問われたら答えられないような気がしてきたのです)のを感じていたとき、BigBenさんからのTBをいただきました。"残虐な今回の一味にも決して組しない"、"しかし、「残虐な民族」「邪悪な民族」などというものは、本来存在しない"というご意見を聞いて、心強く思いました。「どんな悲惨なテロでも、犯人にレッテル張りをして(敵か味方か、"残虐で邪悪な民族だ"等々)簡単な結論づけをしてはならない。何が起こっているのかを正確に知らなければならない」と改めて思います。どうもありがとうございました。

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