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November 20, 2004

無力と戦う夜---ベトナムからファルージャへ

僕はベトナム反戦の世代ではない。
幾度となくその世代と一緒にされ
(若い人には一緒らしいんだよね。団塊世代も、その10年後の世代も)
違うじゃんと思ってきた。

さしづめ僕たちは「遅れて来た世代」と呼ばれ、喪失感以外に何もないと
言われ続けた。70年代の熱い日々に参加するには子供過ぎたし、
ITを正面から語るには年寄りすぎた。

生まれ続ける、死に続ける人間の連鎖の命がある限り、本来
「間に合った」とか「遅れた」とかはないはずなんだ。
それはわかっている。

でも。

でも。

こういう感じだったんだろうか。
ベトナムの頃。

数千キロ彼方でこうしている今のこの一時も人間が殺され続けているファルージャ。
おそらく、直接にこの国を飛び立つ爆撃機がないだけ、まだベトナムよりましか。

ああ、でも。

でも私たちは承認したんだろうか?この戦いを。
否。大虐殺を。

米軍にあっては、見えるものも見えないと言い。
あるものもないといい。
ファルージャには凶悪なテロリストしかいないと言う。

ああ。

この世には過剰な防衛という行為がある。
過剰な防衛------------これはそんな生易しい話なのか?
こうして、(ああ、語るものも偽善っぽい)日常の中に埋没させて・・
そんな次元の話なのか?

ヒロシマがあり、ナガサキがあり、ソンミ村があり、
ポルポトがあり、コソボがあり、9.11があり、アフガニスタンがあり
ファルージャがある。

覚醒せよ。
君の世代は、ようやくファルージャにたどり着いたのか。
こうして東方にあり、たかだか30数万平方キロの国土にあり
自ら民主的と呼ばれる所作を通じて、現政権を支持し
(俺はしていないが)今日がある。

そうした中で、どうやったら、どうやったら
数千キロ彼方に響く殺人の銃声を止められるのだろうか?

足元にまとわりつく、「俺は高学歴」と称して机上に馬鹿げた
トーテムポールを立て続ける、臭い子供たち。
そして、それ以上に脂ぎって明日のコンペの成績にしか
来春の昇進にしか興味のない大人たちの間にあって

この時代に。
この空間に。
この生きている時代に。

どうやって責任をとるのか?

思えば、いつかも来た道だったのだろう。
あのベトナムのジャングルの中。
彼の国も、我の国も、それなりに必死だった。
今ならその恐ろしさがわかる。
そうではないか?

生きていくことがそのまま恐ろしいことである中にあって、
戦いとは、戦争とは、おそらく想像するよりも100万倍も
恐ろしいことなのだ。

イラク市民に無差別発砲した米軍兵士を誰が責められようか?
躊躇は即、自らの死につながる極限の状況の中にあって、
視界360度、自分の足元も、頭上も、背後も。

すべてが。
すべてが敵に思える状況の中で、あなたは、そして私は。
無差別発砲しないと言い切れるか?

ああ、

そうであるなら。
もしそうであるなら。

私たちは、その「行為」だけをもって、一兵士を責めるべきではない。
ではどうするのか?

関っていくこと。
関わり続けること。

そのことだけでも。
過酷だと言明することすら難しい、この平和ボケした国にあっては
意思の表明それ自体が過酷なことか。

僕は、平和主義者ではない。
平和が、人の命を尊重することが、最大の正義だとは思わない人間だ。
この国のありふれた日常を守り続けることが最上の価値だとは思わない人間だ。

時には、時には命以上に守るものがあるはずだ。
それは数千キロ彼方に営みをする、今日のミルクを憂える母親であり、
カラシニコフを握り、人を殺すことしか知らない幼い子供たちであり、

それらを全て無視して守るべき自分の平穏な日常など意味があるのか?
そう考えて暮らしている。

ああ、

しかしどうしたことだろう。ファルージャが
僕と、あなたの生きているこの同時代に存在している。
確かにそこにある。
バーチャルなゲーム空間ではないのだ。あそこで繰り広げられていることは。

絶望すべきではない。
嘆くべきではない。
すべてのことを止めるべきではない。

ありとあらゆるコミットメントを。

雑然たる日常に足を触手のごとくとられつつも、あらゆる関心を
あらゆるコミットメントへの渇望を捨てるべきではないのだ。

それしか言えない。
生きて数十年の間に、それしか思いつかない。

無力と戦う夜だ。

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Comments

BigBanさんこんにちは。気持ち悪いトラバありがとう。
正直よく意味が分かりませんでした。

ボクが子供の頃、NHKの夜のニュースでは、毎日のように北爆とか絨毯爆撃とかのニュースが流されていた。

記憶に残っている映像は、B-52が編隊で飛ぶ絵。アメリカ軍が撮影した、安全な場所から地上を攻撃する絵だけ。
なぜか地上戦の映像は記憶に残っていない。

ファルージャではどうか。なぜかアメリカ軍は地上戦しか伝えたがらない。我々もこんなに攻撃されているんだ。「アドレナリン出まくりだ」。撃ってくる奴らを皆殺しにして何が悪い、と言わんばかり。

地上戦の前には、もの凄い空爆と、砲撃があったはずだ。

ベトナムでも、ファルージャでも共通していることがある。
アメリカの「敵」は、対空放火を浴びせるチカラもないこと。
一方的に爆撃を受け、焼き殺されるだけ。

実は、日本への空襲も同じだ。東京大空襲も、高射砲が届かない高空から10万人の市民を焼き殺した。
広島・長崎も、日本の制空権を握ったあとに30万人の市民を蒸発させた。

イラクでは10万人の市民が殺されたという(説がある)。
イラクの面積は日本の2倍、人口は1/5だから、人口密度は日本の1/10だ。
日本に置き換えれば、100万人の市民(主に女性と子供)が空爆で殺されたことになる。
ちょっとムリヤリだが。

イラクはすでに米国とともに、反米勢力と戦っている。つまり同盟国だ。同盟国の市民を大勢道連れにして、一握りの敵を殺す。これがアメリカ。

ハマコーが、日本の安全をアメリカが守ると言っているが、もし日本に武装勢力が乗り込み、日本の過激派が同調して地方都市を乗っ取った場合、アメリカはどうするかな?
100万の市民を道連れに、1,000人の敵を殺し、日本の安全は守られるのかな。
これもかなりムリヤリだが……。

>100万の市民を道連れに、1,000人の敵を殺し、>日本の安全は守られるのかな。
日本人の手で取り戻せなければそうなるでしょうね。

ところで、ベトナムから米軍が撤退したとたんいラオスやカンボジアで共産勢力による大虐殺が発生したのは無視ですか。そうですか。

トラックバックありがとうございます。
ファルージャ総攻撃には、沖縄から米軍の海兵隊が参加しているという。お金も土地も私たちは提供している。私たちが生きるこの国は、イラク戦争・占領のスポンサー。狂信的に自衛隊の行くところが非戦闘地域だと言い張っても、ファルージャ攻撃の成功を期待しても、支持率が下がる気配はない。私たちがこの戦争を支えているという歴史が刻まれていくことを見過ごすわけにはいかない。

TBありがとうございます。
「子の曰わく、吾かつて終日食らわず、終夜いねず、もって思う。益無し。学ぶにしかざるなり」

とりあえず「真の独立への道」(M・K・ガーンディー著)をお読みになることをおすすめします。

> しかしどうしたことだろう。ファルージャが
> 僕と、あなたの生きているこの同時代に存在している。

こんにちは。うにです。私も同じくくりに入るような年齢なのですが、自分たちが社会で一番中核にいる時代にこういう戦争を許してしまったのは、とてもショックです。そう。無力さに茫然とすることもしばしばです。

BigBanさん、トラバありがとうございました。こちらからもトラバさせていただきました。
僕は、60年安保の時に少年時代を過ごし、ベトナム反戦運動の高まりのころには社会人になっていたという、はざまの世代です。いうなればフランシーヌ世代とでもいう感じです。
ファルージャの虐殺になすすべもなく、樺美智子さんとフランシーヌ・ルコントという、遠く離れた国と時代における二人の女性の死の意味を、考え続ける日々です。

トラックバックありがとうございます!!!

私もベトナム戦争当時はまだ子供でした。
「サイゴンが陥落したよ!」と告げると「ということは、もう終わりじゃないか」と祖父が驚いていたことを憶えています。また、父は解放戦線を「ベトコン」と蔑んでいました。
・・・しかしあの頃の世間は、祖父や父は別として、解放戦線側を応援する空気が強かったように思えます。

ともあれ私は、
ベトナムで虐殺を続けていたアメリカにべっとり従属しているこの国の「繁栄」の中で何となく成長しました。そして現在イラクで虐殺を続けているアメリカにべっとり従属しているこの国の「繁栄」の中で、なんとかリストラされずに生活しているのであります。見せかけの「繁栄」ではありますが。
小泉らは、この見せかけの「繁栄」を守るために今後もアメリカにおべっかを使い続けるのでしょう。
しかし今後もアメリカに従属し続けても、この「繁栄」が維持できるどころか、アメリカと心中することになるかもしれないと恐れています。ここらで袂を分かつべきではないでしょうか?
もちろん日本の経済はアメリカとの関係によって成り立っていることは百も承知ですが、そもそもアメリカに従属することで戦後の大量消費社会を作ってきたこと自体が誤りだと考えています。その成果は巨額の借金と破壊され汚染された国土だけですから。

ちょうど、BigBanさんと同じ世代のようですね。
ベトナム戦争の記録をきちんと調べようと思ったのだけど、一体、ベトナム戦争時、ベトナムの民間人は、どの程度犠牲になったんだろう。ゲリラの場合、民間人が戦闘員に切り替わるのも早いし。
ファルージャがベトナム化して来ましたね。
米国は敵を作って楽しんでる気がする...。

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