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January 28, 2005

世界の全てから、見捨てられてしまったとあなたが思っている夜

世界の全てから、見捨てられてしまったとあなたが思っている夜。

おそらくあなたの声はたどたどしく、その言葉は途切れ途切れで、
その苦しい思いの半分も、自分のカプセルから外に出すことも
できないでいるかもしれない。

おそらくあなたから見れば、人には帰っていく場所があり
あなたにだけないように思うかもしれない。
あなたがその瞬間、そう思ってしまっても無理はない。

でもおそらくあなたは、まだ気がついていないのだと思う。
僕の後ろは真白で、僕の背中の向こうは空白で、
僕がここに、この世界に生まれてきたという僕の意地だけで
ようやく、不確かな像を結んでいるのだということを。

僕が少し、ほんの少しうつむいただけで、
世界の全ては、僕から消え失せる。
何もなかったかのように。さっぱりと。
元々、何の証拠もないのだから。

全てご破算になったところで
それはそれで、そんなに悪いことでもないかもしれない。
最初から何もなかったと思うことは、なかったことにしてしまうのは
それほど悲劇ではないのかもしれない。

少し穏やかで星の美しい夜にはそう思う。
宇宙の時間を感じながら。本当にそう思うことがある。

でもそうしてしまえば、あなたの声が聞けなくなる。
あなたの、そのたどたどしい声すら聞こえなくなる。
僕はそう思って、ようやくここに、この世界に立っている。

心騒がぬひとたちよ。
心寂しくないひとたちよ。
心より命を祝福されたひとたちよ。
覚醒して欲しい。
あなたが自分の暮らしを喜んでいる同じ時間に
そんな風にこの世界に立っている者もいるのだ。

世界の全てから、見捨てられてしまったとあなたが思っている夜。
僕はあなたを見捨てない。
誰もあなたの側にいないなら、僕があなたを祝福する。

なぜならあなたは、僕自身だからだ。

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Comments

いっそのこと、見捨てられてしまいたいと思う。
寂しくて孤独で、誰でもいるけれど、誰もいない…

あなたの声を聞くことだけが、
この世界にいる存在価値。

私にもそんな時が有ったのに、
それさえも失ってしまったから。
もう今は、ただ 息を吸って吐くだけ。

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