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February 09, 2005

2ヒット残された父の痕跡----残された1/2

父が亡くなってから、8年ほどになる。
時々気になってたまらなくなる。父は何を考え何を思って生きていたのかを。

それは生きている間に終に、通常の親子の関係を回復できなかったがために、時折舞い降りる僕の意味不明な衝動の一つなのかもしれない。
この間の夜、ふと思い立って父の名前をgoogleで検索してみたら2件ヒットした。

思うところあり、仕事上の名前でサーチしてみたら、ヒットがあったというわけだ。
前にもやってみたことがあるんだけれど、本名でやったのでヒットしなかった。

幾度も離婚と転職を繰り返し、複雑な人生を送った彼にふさわしく、父には名前が3つある。

一つは、生まれた時の名前。
次は3番目の母と結婚した時に、先方の戸籍に入籍したのでその名前(本名)。離婚しても生涯この名前を使っていた。
そして最後は、今回検索に使った名前。仕事上使っていた名前である。

父の葬儀の時、父のことをどの名前で呼ぶかによって、概ねその友人の方が父といつどのような時代の、どんな関係の知り合いなのかを判断することができた。
そしておかしいことに、自分が使っている呼び名以外の他の2つの父の名前については知らない方が多かった。様々な名前で呼ばれる人物に僕が対応しているのを、不思議そうに見られた。

古い時代の人間だし、インターネットが興隆する一歩前で死んだので、あまり痕跡は残っていないかなあと思ったんだけれど。

父は映像プロデューサーだった。制作会社も起こしたりしていたけれど、一時ある地方局に身をおいていたことがあり、2件ヒットした記事はその時のものだった。

内容は、意外にもNHKに関係あるものだった。あまり詳しく書くと身元ばれになるからぼかすけれど、要するに父の番組でNHKについて相当突っ込んだ特集を放映したらNHKから猛烈な抗議が来て話題になり、結局父がNHK側に公に謝罪したという内容だった。そんな話はもちろん、一度も聞いたことがなかったので驚いて記事を読んだ。

今でこそ、NHKこそ袋叩きにあっているけれど、当時はNHKはまだまだ強大な権力を誇っており、郵政省を巻き込み、放送法まで散らつかされた猛抗議に、父も、父の局もついに折れたらしい。他のマスコミ向け記者会見での、父の無念の敗北コメントが出ていた。

父「も」気の強い人間だった。さぞ悔しかったろうと暫し記事に見入る。

どうもNHK嫌い(笑)は親子2代なのかと見えぬ遺伝子の不可思議さも思う。

先に書いたように、父の遺伝子は僕を掌るたったの1/2。それが僕の設計図の全てである。微かながら。

だが、これが、なかなか侮れない1/2なのかもしれない。

深夜、膨大なネット宇宙にたった2件残された、微かな父の痕跡を見てそんなことを考えた。

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Comments

好むと好まざるとに拘らず、血とか遺伝子とかというものの繋がりを意識させられる事ってあります。
私は母とあまり仲が良いとは言えず、むしろ彼女を軽蔑しながら生きてきたというのに(それも私が大人になり、彼女が老いていったことで随分柔らかな関係にはなりましたが)、自分の行動や考え方、ふと鏡の中に見る面影や仕草などにいちいち母の面影を見ることがあります。
必ずしも、一緒に暮らしている間に後天的に刷り込まれたものだけではないように感じます。
同じように、父もまた私の中に見え隠れします。

でも私がそれを確認できるのは、結局父と母の姿を見て育って知っているからなのでしょうね。
BigBanさんの中にお父様と同じ血が流れている以上、どこか共通点はあるのでしょう。そしてきっと、お母様とも。
不思議な事ですね。

コメントありがとうございます。
サイトでのメッセージも受け取った(つもり)です。
旅行中なので、戻りましてからまたコメントいたします。

はじめまして。流れてきましたひよこです。

私の母は、理不尽で非常に不幸な幼少時代を過ごしたため、
すごく不安定な精神になるときがあります。
それはもちろん私たち姉弟にもふりかかることがあって、ふとしたきっかけで、その不幸な時代にいた自分を思い出し、『あんたたちは、私に昔の嫌なことを思い出させる』と言われ、包丁をつきつけられたこともなんどもありました。
その精神のUPDOWNの激しさは幼い私にはとても恐怖でした。
反発する気持ちは、『そんな親の不幸を私が背負ってなるものか』という反面教師の方向に向かい、幸せなことに私は、その小さい頃の自分の経験を今の職業に生かすことができています。今では表面上は仲がいい母娘ですが、心のどこかでは母親は信用できない、最後の最後に頼れないという位置づけになっていて、、、、割り切ったつもりでいても、自分の中に二分の一母の血が流れていることが、私を苦しめるときがあります。
 でも、、、そんなときに言われたことがあります。お母さんとお父さんの血だけじゃないよ。君には、君の大好きなおばあちゃんの血もおじいちゃんの血もひいおばあちゃんの血もひいおばあちゃんの血も入っているんだよって。
 まぁ、なぐさめだと思うんですが、でもちょっとだけ楽になりました。
過去や、親にとらわれてしまう自分も、今はキライではなく無理に閉じ込めずに『あぁ~、出てきちゃったのね』って思うことにしてます。

 文章のまとめかたにセンスのよさを感じました。でも、少しだけ、寂しいブログで気になりました。

ひよこさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

> でも、、、そんなときに言われたことがあります。お母さんとお父さんの血だけじゃないよ。君には、君の大好きなおばあちゃんの血もおじいちゃんの血もひいおばあちゃんの血もひいおばあちゃんの血も入っているんだよって。
>まぁ、なぐさめだと思うんですが、でもちょっとだけ楽になりました。

そうですね。1/2といっても、2人のうちの1人と思うと寂しいかもしれませんが、その残りの1/2に、たくさんの人の血が流れていると思うほうが、楽になるかもしれません。

血と言うのは、心強くて、厄介で、不思議なものですよね。今後ともよろしくお願いします。

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