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March 04, 2005

ロバートキャパ最期の日---運命の場所へ

capa_last

キャパ・イン・カラーを見に行ったのをきっかけに、あらためてこの写真家の一生について考えるようになった。
今日読み終わったのが「ロバートキャパ最期の日」(横木 安良夫 )。

キャパの「最期の場所」を探す写真家の旅。
残された乏しい手がかりと、コンタクトプリントを手がかりに、あくまでも、キャパの「最期の場所」にこだわり続け、探し続ける。

そのプロセスで、キャパの後半生が鮮やかによみがえってくる。

ブダペストからベルリン、パリと流浪したキャパは、「第二次世界大戦の英雄カメラマン」として祭り上げられていたが、心に空虚なものを抱えていた。そして、戦いの様相が「明確に悪なるもの」=ファシズムとの戦いであった大戦とは異なり、泥沼のような混沌に落ちていくインドシナ、フランスとベトミンとの戦い。
後のベトナム戦争へも繋がる、当時のフランス、米国など西欧諸国の共産主義に対する恐怖。そしてキャパの戸惑い。

そこにあるのはかつてキャパが体験したような戦場ではない。
かつての栄光がキャパの背中に重くのしかかっていたことも知る。

名声が先行して、実は仕事は乏しく経済的には借金を抱え、追い詰められた状態で毎日新聞の依頼で日本を訪れる。破格の条件で。その当時、キャパにこの上ない厚遇を用意したのは実は、ほとんどキャパの知名度もない日本であったというのが、意外な事実である。

戦争の概念が大きく変わっていく中で戸惑いながらも、この希代の写真家は「静かな戦争」という新しいテーマを志して、あるいは本能に導かれてライフの依頼に応じて。「最期の場所」に出向く。

著者が、大きく変わってしまったその土地の様相、そして50年という時間の流れにも関わらず根気強く「その場所」を探していく行程は、地味であるが静かな興奮に満ちている。

そして、最期の時、なぜキャパはその場所で地雷を踏むことになったのか、大胆にそして鮮やかに仮説を展開している。

あるいは死の状況については憶測もあるかもしれない。
だが、はっきりとしていることは、キャパが、あるいはキャパですら最期まで迷っており、そしておそらく孤独だったということである。数々の死を乗り越えてもなお。

「ロバートキャパ最期の日」詳しい内容はここ。


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Comments

「ロバートキャパ 最期の日」
私も本屋さんで手に取り、
「最期の場所」の現在の写真だけを見ました。

キャパの抱えていた孤独に
自分をシンクロさせてしまいます。つい。
きっと私なんかよりももっともっと強い孤独だったと思うけれど。

もっとちゃんと読んでみようかな。
入り込んでしまいそうで躊躇したんだけど。

おはようございます。
最後まで読まないと、なかなかこの著者の意図というかこだわりのようなものが伝わってこないんです。
何のために、「その場所」にこだわったのか。
あるいは今でも著者にもその衝動の因は明確にはわからないのかもしれませんが、こうしたある種「こだわった」試みをしてくれたおかげで、私達に見えてくる新しいキャパの姿があります。

確かに引き込まれてしまいそうというか、死への誘惑のような危険な要素もあるんです。例えば・・

自分にとっての「その場所」はどこなんだろう?とか、「その場所」へ今どのくらい近づいているんだろう?とか。
おそらくこのあたりの「危険な感覚」は、僕はdeep_breathさんとかなり近い感覚を持っていると思っているので、意味はおわかりになると思います。

ですが、一方で「キャパですら」最後まで迷って死んでいったのです。まして私達が、もうしばらくはじたばた迷っていても、いいではないかという元気というか、そうした気分が生まれてくる面もあると思うのですが、どうでしょうか。


これは違う話ですが、以前僕は香田さんの死を語るときにキャパを引用したことがありましたが、あれはやっぱりちょっと違ったかなあ、と最近は思っています。

このへんは機会があれば記事にしようかなと思っていますが。

ではでは。

おはようございます。

「その場所」はとても魅力的で甘美で誘惑の多い場所。
だからどこにあるかあとどのくらいかかるのか知りたくなってしまうんです。

「キャパですら」迷ったんですもんねえ。
確かにじたばたとみっともなくてもいいのかもしれません。

やっぱり読んでみたくなりました。
今なら平気かも。
また落ちたら、「またか」と笑ってください。 笑

新しい記事、楽しみにしていますよ。

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