« なぜ君が代を歌わないと処罰されるのか(2)----東京都教育委員会の違憲行動 | トップページ | ライブドア妄想記事・・・日経BPさん、頼むよ。 »
April 06, 2005
誰も知らない-----次第にすさんでいく美しい瞳
救いの無い話である。YOUの演じる母親は無邪気に、そして不気味に無責任。柳楽優弥演じる長男を頭とする子供達を放棄して男の元へ走る。1988年に東京で実際に起きた「子ども置き去り事件」をモチーフにしている。
残された子供達が、長男を中心に生きていくが4人の子供達は次第にすさみ荒廃していく。
カンヌ映画祭で最優秀男優賞を史上最年少で受賞した柳楽優弥の演技が何といっても引き込まれる。物語の初頭で美しく気高ささえ漂わせている少年が、責任の重さと出口のない精神状況の中で追い詰められ、苛立ち、その瞳が次第に暗く荒れていく。その見事な表現力に、圧倒された。
子供達を助けてくれる「大人」は見事なまでに誰もいない。ぎりぎりの状況になっている4人をよそに社会は、そして季節は淡々と日々を綴っていく。子供達に手を差し伸べるのは、コンビニで働く若い男女や、いじめに会った登校拒否の中学生など、これも社会の隅で、おどおどしながら生きているような人間ばかりである。
子供に限らず、地域で孤立している人たちに目を配ることの大切さを思わされる。
救いも助けも、もっとあまねく足元に満ちていなければならない。
テーマが自分には、自分史的に重なってしんどい。わかったうえでDVDを借りてきたのはいいが、幾度か途中で中断せざるを得なかった。がんばって最後まで見られたのは一重に柳楽優弥の素晴らしさ。
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/28156/3583962
この記事へのトラックバック一覧です: 誰も知らない-----次第にすさんでいく美しい瞳:
» 『誰も知らない』 [chaos(カオス) から]
『誰も知らない』
平凡なアパートで暮らす母と4人の子供たち。子供たちの父親はそれぞれ異なり、一緒に暮らしてはいない。母親は子供たちを世間の目から隠すように... 続きを読む
受信 Apr 6, 2005 7:34:38 AM
» 「誰も知らない」 [雑板屋 から]
「誰も知らない」
母親としてではなく女として生きることを選択した身勝手な人間に対して、自己の中に、怒りがあるのかないのか?・・・解らなくなってしまった、正... 続きを読む
受信 Apr 6, 2005 3:10:06 PM
» 誰も知らない/柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、YOU [カノンな日々 から]
ワタシ的にはかなりツボにはまりました。柳楽優弥くんがカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した話題作でしたが、物語的にはたいした予備知識もない状態での鑑賞。ドキュメ... 続きを読む
受信 Apr 6, 2005 4:30:53 PM
» 誰も知らない [つっきーの徒然草 から]
去年のカンヌ映画祭の一番のサプライズは『誰も知らない』の柳楽優弥くんが14歳とい 続きを読む
受信 Apr 6, 2005 7:44:08 PM
» 誰も知らない [イヌとスローライフ から]
見ました!
『誰も知らない』
今の日本を象徴している映画だと思います。
豊かな時代にいるに関わらず、実はちゃんとした補償がない…。
... 続きを読む
受信 Apr 6, 2005 9:14:51 PM
» 誰も知らない [ライオンはトラより美しい から]
痛い。痛い。痛い。痛い。
観ているあいだ、ずっとそんな思いに支配されていた。せつないだとか悲しいではなくて、ただ痛い。
もちろん暖かいシーンはたくさんあ... 続きを読む
受信 Apr 6, 2005 11:55:22 PM
» 誰も知らない ★★★★★ [切腹! から]
境目のない空気。その話題性を念頭に置いていたため、冒頭から映像の勢いに呑まれてしまった。フィルムが心のある部分に接続され、彼らの生き様が動き出した。社会から切り... 続きを読む
受信 Apr 7, 2005 12:36:49 AM
» 誰も知らない [/////On tHe MoVieW///// から]
柳楽くんが、カンヌで主演男優賞をとったと話題ですが、
ついに、見ました。
この映画で言いたかったことは、なんなんだろうと考えてみる。
いろいろなメタファーが... 続きを読む
受信 Apr 7, 2005 2:11:43 AM
» 最近観たDVD [ひとりごと から]
1本目:『誰も知らない』
母親に置き去りにされるという、実話をもとにしたヘビーすぎる題材を扱っているのに、あまりにも淡々と描かれていてなんかショックだった。
彼らの生活は異常だった。
家族構成は、母と4人の子供達。でも表向きは母と長男・明の2人暮らしで、父親は海外赴任していることになっている。兄弟は皆父親が違い、学校にも行ったことが無い。明以外は、家から一歩も出てはいけない決まりになっ�... 続きを読む
受信 Apr 7, 2005 7:20:48 PM
» 「誰も知らない」 [blog@hearty から]
レンタル屋で「誰も知らない」を借りてきた。
子役の柳樂優弥くんがカンヌで賞を取った作品である。
一言で言うと、異父兄弟の4人が帰ってこない母親を待ちながら、けなげに生きているお話だ。
近所には、父親は海外赴任中で母と長男(柳樂くん)の2人で暮らしている事にしている。
下の子3人は家に閉じ込められ、外はもちろん、ベランダにも出てはいけないし、大声を出したり、暴れてもダメ。
子供たち4人は学校へも行かせてもらえない。
それでも母親はそれなりに子供たちがかわいいらしく、子供たちも不平不満は言わ... 続きを読む
受信 Apr 8, 2005 8:28:43 AM
» 2004年 日 【誰も知らない】 [Movie Diary から]
監督・脚本・編集 : 是枝裕和
出演 : 柳楽優弥/北浦愛
続きを読む
受信 Apr 11, 2005 8:40:32 PM
» 誰も知らない 今年の127本目 [猫姫じゃ から]
誰も知らない
映画の出来がどうこうって言うような作品じゃない。
なんなのこれ??
イタイ映画だってことはわかっていたし、だから、今まで手が伸びなかったのyo。
やっぱり、見なくてもよかったわ、、、
映画としては、
あの子供達は、素晴らしかっ... 続きを読む
受信 Jun 20, 2005 3:07:34 AM
» 喪失感に彩られたメルヘン〜是枝ワールドの深淵 [酔生夢死浪人日記 から]
是枝裕和監督をテーマにするのは2回目だ(前項は昨年11月)。今回は「日本映画専門ch」で放映された第1作「幻の光」(95年)と第4作「誰も知らない」(04年)について述べてみたい。
まずは「幻の光」から。主人公のゆみ子は、自分が他者を不幸にする人間ではないかという不安に怯えていた。少女時代に祖母が失踪したが、最後に話したのはゆみ子だった。その夜に出会った郁夫と結婚するが、ゆみ子と生後間もない息子を残し、何の前触れも... 続きを読む
受信 Jun 30, 2005 4:07:34 AM
» 『誰も知らない』 [はなことば から]
2003年の作品。感想、ネタバレします。 『花よりもなほ』の監督の作品。『花より』を見たときの記事に頂いたコメントの中に『誰も知らない』のことが書いてあって、どんな映画かな~と思ってレンタルショップでジャケットを見てみたら、あ、これ知ってる、この男の子役の..... 続きを読む
受信 Apr 18, 2007 7:41:48 PM
コメント
初めまして、雑板屋のゆきちと申します!
トラバをありがとうございます。
「誰も知らない」・・いい映画だ!と一言では表現し難いメッセージ性の強さを持った心に響く作品ですよね。
生半可な気持ちで見るのは失礼なくらいに・・・。
それから・・キャパについて・・ゆきちも敬愛する大好きな報道写真家です。これまでも2度写真展にも足を運びましたし、彼に関する書物も数冊読みましたが、彼の壮絶な人生には驚くばかりです。
というわけで・・これからもどうぞよろしくお願いします。
当ブログへのトラバ&コメントも大歓迎です!
またお邪魔しますね~♪
投稿者: ゆきち (Apr 6, 2005 5:20:08 AM)
コメントありがとうございます。ゆきちさんも書いていらっしゃいましたが、憎みきれない、それでいて底の知れない母親を演じてYOUは適役でしたね。
ところで、すごい読書・映画論量ですね。僕もまた時々うかがわせていただきます。
投稿者: BigBan(>ゆきち さん) (Apr 6, 2005 12:13:54 PM)
こんにちは。
TBしていただきありがとうございました。
私も何度も「あ~、もう観れないです!」と思いました。
大人の勝手で傷つく子供が減ることを祈るばかりです。
投稿者: nico (Apr 6, 2005 12:23:48 PM)
BigBanさん、どーもこんにちは!
昨日、こちらからもトラバ発信したつもりでいたのに、出来ていなかったようで、せっかくなんで再び貼り付けに参りました!当ブログへコメントまで・・ありがとうございます!
また映画も本も色んなことを語り合いましょうね♪
投稿者: ゆきち (Apr 6, 2005 3:16:36 PM)
はじめまして。
「つっきーの徒然草」から参りました、つっきーと申します。
トラックバック、ありがとうございました。
私の感想は女性の立場から観てしまったので、YOU演ずる母親の心情を考えたものに偏りすぎていることは否めません。
でもこうしてレビューを拝見させていただくと、別の視点から観た意見を知ることができて大変勉強になります。
優弥くんの”目”の表現力は私も大いに感動しました。
子供として無邪気な表情を見せるときもあれば、一転して「大人にならなければ」という責任感を宿した表情を見せてくれるし、「自分の力ではどうすることもできないんだ」という無力感を表現しているシーンでは胸が締め付けられる思いがしました。
実際に起こった事件をモチーフにしているだけに暗く重々しい映画になりがちなのに、優弥くんの演技で普通の人の日常を描くように淡々と描くことができたのが良かったと思います。
これからもお邪魔することがあるかと思いますので、よろしくお願いします。
投稿者: つっきー (Apr 6, 2005 7:43:00 PM)
こんばんは。
トラックバックありがとうございました。
この事件、調べてみると、映画よりもっともっとひどいモノだったようですね。
救いようのない内容の映画でしたが、何か心に残るという映画でしたね。
投稿者: YUN (Apr 6, 2005 9:48:04 PM)
TBありがとうございました!
子供達のあまりに自然なたたずまいにそのリアリティに圧倒されてしまいました。細かいディテイルの一つ一つが素晴らしいですね。
映画の可能性を感じる作品でした。
投稿者: わあ (Apr 7, 2005 12:03:02 AM)
>また映画も本も色んなことを語り合いましょうね♪
はい。こちらこそよろしく!
投稿者: BigBan(>ゆきちさん) (Apr 7, 2005 2:53:53 AM)
うーん。明らかに「大人」である私はしっかりしなければならないなあ。地域に目を配るというのは、男的に苦手な分野ですが・・・・
>子供に罪はないんだよ。大人はもっとシッカリしてくださーい!
投稿者: BigBan(>nico さん) (Apr 7, 2005 2:55:45 AM)
僕も実際の事件が気になって調べました。
>実際の事件から察すると、母親は長男を産んだとき婚姻届も出生届も提出されているものとばかり思っていたようです。すべてを相手の男性まかせにしていたので。しかし実際は婚姻届も出生届も出されておらず、相手の男性は新しい恋人と蒸発してしまいました。
まさに、信じられないような状況だったのですね。そんなことがこの世にあるのだろうかと思います。
地域で異常を感じたときにはしっかり介入しないといけませんね。
今後ともよろしく。
投稿者: BigBan(>つっきーさん) (Apr 7, 2005 3:01:44 AM)
こんばんは。
>YOU以外は無名の子どもなんだけど、素晴らしい作品になってます。
>実話に基づいているんだけど、その後どうなったかとかラストに何の説明もないんです。これが悲惨に思わせない心遣いでもあったんでしょうね。
確かにその後どうなったのか、つい調べてしまいますね。そして映画以上の異常さに言葉を失いました。身近の異変に敏感な「大人」でありたいと願います。
今後ともよろしく。
投稿者: BigBan(>YUNさん) (Apr 7, 2005 3:05:04 AM)
>子供達のあまりに自然なたたずまいにそのリアリティに圧倒されてしまいました。細かいディテイルの一つ一つが素晴らしいですね。
>映画の可能性を感じる作品でした。
聞けば台本がなかったようですね。台本無しでと言うのは簡単ですが、どれほど役者に本物の表現力が求められたことでしょうか。
それを想像するだに、敬意を表すべき映画ですね。
投稿者: BigBan(>わあさん) (Apr 7, 2005 3:10:05 AM)
はじめまして。
TBありがとうございます!
あんな母親でも子供たちは大好きで、帰ってくると信じているんですよね。
子は親を選べない。
あの子達の将来が、輝かしいものになることを祈ります。
投稿者: かぁ (Apr 8, 2005 8:59:05 AM)
こんにちは。
気になりながらも、レンタルショップへ行っても手を伸ばせません。見始める前から、「見れない」と感じています。
柳樂優弥君の受賞が話題になった時に、モチーフとなった事件について調べ、読んでしまったためでしょう。でも、もしかしたら実際の事件がなくて全くのフィクションだったとしても同じことかもしれません。
そんななので、こちらにコメントをつけることすら、すぐにはできなかったくらいなのです。
自分でも、子どもが受ける傷に対してどうしてこんなに過敏なほど反応してしまうのか謎なのですが。単に自分も子を持つ親だから、という以上の何かがあるような気がしてなりません。
ああ、柳樂優弥君の演技が見たいと強く思うのですが、きっとこの映画は私の中では永久に封印されてしまうでしょうね。
投稿者: なおこ (Apr 10, 2005 10:39:40 PM)
こんばんは。なおこさん。
僕には「子を捨てていく母親」のテーマがきつくて、借りてきたのはいいけれど、何度も途中でやめようと思いました。見ているときは精神的な拷問のようなものを感じていたけれど、結果的には柳樂優弥君の表現の力に救われた気がします。
でも、本当によくわかります。
封印してしまうのではないかという気持は。
投稿者: BigBan(>なおこ さん) (Apr 11, 2005 1:39:56 AM)


