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April 23, 2005

「さくら」----雑種の犬と、やわらかく不思議な人生

sakura_wan

雑種の犬が飼いたい。君が言った通り、雑種という言葉に何の意味も無いのは良くわかっているが、この場合、僕の、そして君の傍らにいるのは、断固として雑種の犬でなければならない。僕と君がいて、雑種の犬がいる。それなら他には何もいらない、そんな幸福を夢に見る。

こんな風に生まれて初めて思ったのは、この小説「さくら」を読んだせいだ。いやあ、すっかりやられてしまった。昼のエクセシオールカフェで、物語の後半に差し掛かったものだから、たまらない。あたりを気にしながら、号泣(笑)。
小説を読んで、昼日中に大泣きしている中年男を、日本の皆さんはどう思いますか。
それはさておき、本当に久しぶりに、心の中心をがーんとやられてしまった。

「さくら」はさくらという名前の「雑種の」犬と、ある家族のつらく悲しく苦難に満ちた、そして風変わりな歴史の物語。僕の大好きなジョン・アービングの「ガープの世界」「ホテルニューハンプシャー」を思わせる。
共通点は、美しいのにエキセントリックな少女が出てくること。「さくら」のミキは、美しさを、ある種の暴力的な苛立ちを、兄への「恐るべき」恋のエネルギーに転嫁しているが、「ホテルニューハンプシャー」でもやはり、自分の美しさを、内面への攻撃のエネルギーに変えてしまって、いつも熊のぬいぐるみを着て暮らしている、とてもへんてこりんだけれど、とても泣かせてくれる美少女がいた。これはあのナスターシャキンスキーが演じていたんだ。

心優しいオカマが出てくるところでは、「ガープの世界」を思わせる。元フットボール選手だった体格のいいオカマ、これも泣かせに泣かせたけれど、「さくら」では父を慕うサキコさん。

どの人物も変なのだけれど、なぜだろう。人間の悲しいところや柔らかいところが、くっきりと浮かび上がる。

全く関係がないんだけれど、中国の「暴れている人たち」にも読んで欲しくなった。誰かから押しつけられた、植えつけられた教条ではなく、一緒にもっと人間のことを話そうよ。不思議で悲しく希望のある「さくら」に出てくるような人生について話そうよ。

それから何といっても犬は雑種だよ。しつこいけど。「さくら」を読めばわかる。

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Comments

やっと読むことが出来たのです。
今頃スイマセン。

他のエントリーでも見かけていて
こちらでも見かけて。
今年中(ってところが大体のんびりしてますが^^;)
には読みたいと思っていたのをやっと。

神様が投げるボールは
悪送球ばっかりで…。
そうそう。私は受け方も習わなかったなんて思ったりして。笑
最後、救われたので良かったです。
良い本でしたね。

私も犬は雑種だと思います 笑

今晩は。読んでいただいたのですね。嬉しい。(笑)犬は雑種だ!と力説していたら、ある人から、全ての犬は雑種だと言われました。確かにそうかもしれない。(この小説は別に犬の純血についての話ではないと思うが 笑)
最後に救われたのは確かに良かったね。生きる意味を最後の一線でキープしてくれました。

僕は好きな小説です。

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