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April 30, 2005

ウィルスバスターの「冒険的事態」と尼崎-----そこに慢心はなかったか

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あまり書かれていないことだが、経験的なところからだけ言うと(つまり思い違いの可能性があるということだが)ウィルスバスターは、ここのところ、問題のパターンファイルの前からおかしかった。
パターンファイルがダウンロードされると、ウィルスバスターは再起動を始めるのだが、最近は(僕のOSはWindowsXP-SP2)この後の再起動にとんでもなく時間のかかることが多くなっていた。(繰り返すがあくまでも、感覚的な話である。)どうもメモリのマネージメントがうまくいっていないような感触は持っていた。時にはそのままネットがつながらなくなったり、ハングしてしまったこともあったが、僕のノートパソコンがそろそろ相当な代物であることと、悪名高きSP2でのことだから、こんなものかと思っていた。

ところが、あの悪魔のパターンファイル594が配られて騒ぎになった以降、配付されたパターンファイルはSP2上でも軽快に動く。いったいどういうことなんだろうか。単なる偶然とも思えない。

今回の事件はトレンドマイクロ社における2重のミスから起きた。一つは無限ループのバグを含んだプログラムを書いてしまったプログラマー。そしてもう一つは、SP2などのOS上でのチェックを行わなかった品質検査の担当者である。

これは本当に感触なのだけれど、この品質検査は、594のかなり前から、いい加減になっていた可能性はないのだろうか。事件後に打って変わったように軽快に動くようになったウィルスバスターを見ていると、そんな疑問も湧く。

トレンドマイクロ社は、1988年8月米国ロサンゼルスにて創業。現在は東京に本社を置いている。現在会長を務める、創業者のスティーブ・チャンはIT業界の伝説の1人である。
「ウィルスバスターの冒険---トレンドマイクロ創業物語」は、この創業時のスティーブ・チャンの妻、ジェニー・チャンがその失敗と苦闘の日々を女性の視点から書いた物語として、極めて面白かった。ウィルスを駆除するソフトなどというものがビジネスになるなどということは、当時誰も予想しなかった。
その「誰からも理解されない技術」に全身全霊をかけた会社はいつか「アジアで最高にクールなハイテク企業」と評され、2004年の通期売上高は、エンタープライズ分野が好調で、620億4900万円と前期比29%増加。営業利益は260億7800万円までになった。
(CNET Japan 2005/02/04の記事より)

今回、問題のパターンファイルの番号にちなみ給与を594円にすることを宣言したエバ・チェンは、同社副社長のジェニー・チャンの妹に当たる。
1988年5月に米テキサス大学でMBAおよびMISを取得し、同じ月にトレンドマイクロに入社。同社創設者の1人であり、以後は製品開発部門を率いてきた。社長就任は、2005年1月からである。この規模になっても、トレンドマイクロ社は、アジア的な同族経営の色彩を色濃く持ち続けていることも伺われる。そしてエバ・チェンは、就任早々に創業以来最大とも思える危機に見舞われたことになる。

企業セキュリティが4月に施行された個人保護法の追い風もあり、まさに企業としてはわが世の春を謳歌しようかという矢先に起きた、大きな落とし穴だった。だが、トレンドマイクロ社に、慢心はなかったか。

現在国内では鉄道史上最大の事故として報道されている尼崎の脱線事故を思うにつけても、企業にとっての「危機」は、突然襲い掛かる性質のものではなく、いくつもの「遠因」や「前兆」は密かにだが確実に現れているのである。尼崎の事件では、定時運行を至上命令とするJR西日本の、運転士の管理体制が問題とされている。それもこの事故あったからこそである。できるなら我々は、その「兆し」を察知できるアンテナを失わないようにしたい。
これは命が関わっていればなおさらであるが、そうした意味で尼崎の脱線事故を、トレンド社の事例と比較するのは突飛と考える人もいるかもしれない。
だがパーソナルコンピュータが社会の生命線を支えている現実がある現代、トレンドマイクロのような事故ですら、いつ人命に関わることにならないとも、誰も断言できないのである。

エバ・チェンは今年1月の就任時に、会見の中で今後のトレンドマイクロの主な戦略三つを挙げている。

 一つ目は予測不能な攻撃に対しての保護。世界中に広がっているネットワークからどんな脅威が発生するかわからない。その脅威に対して、予防はもちろん、感染しても業務が早急に復旧できるようにする。

 二つ目がタイムリーなアップデートと迅速な対応の強化。パターン・ファイルの更新だけではなく、情報のアップデートやソリューションの提案を含んでいる。

 三つ目がインフラを含めた保護。自分のパソコンを保護するだけでなくネットワーク全体を考えたセキュリティの確保をサービスとして提供する。

 また最後に、「大規模感染などから常に学び、顧客をどのようにサポートすればよいかを考える組織にしたい」・・・

(日経コンピュータ記事より)

その中には、自社を発信源として数ヶ月後に発生することになる未曾有の事態を予測する、あるいは示唆するいかなる発言もない。当然といえば当然ではあるが、今読み返すとき複雑な思いがよぎる。

(余談)

関連会社のプログラマに
「ウィルス退治する側がウィルスばら撒いてどうするんだよなあ。笑」

と冗談を言ったら真顔で

「・・・・・BigBanさん!あれ(トレンドマイクロが配ったのは)はウィルスではありません!」

「・・・・・・(知ってるよ。そんなこと!)」

プログラマーのこういう硬直思考というか洒落が効かない所がイヤだ。

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Comments

はじめまして。
わたしも今回のトレンドマイクロ社が引き起こした事件は
慢心がひとつの原因だったと考えています。
WinXPSP2のテストを行っていないにもかかわらず
XPSP2対応と表明しているのがその証拠でしょう。
未試験にもかかわらず何を根拠に「SP2対応」と表明したのか。
恐らく、同社には自分たちの作ったものが問題を起こすはずがないという甘い考えがあったのでしょう。

なお、ウィルスの定義はいくつかありますが
「実行したコンピュータに悪影響を与えるプログラム」
という定義に基づくならば問題のパターンファイルは
ウィルスに分類されると思います。

>プログラマーのこういう硬直思考というか洒落が効かない所がイヤだ
↑プログラマーに限らず,こういう人はあたしも苦手です.(^^;)

わたしはいつも,フレキシブルでいたいです.

トレンドマイクロ社の慢心は明らかだし,とにかく早く出せというプレッシャーもあったのかもしれないですね.とにかく時間を守れというJRと似てます.

こんにちは。

>WinXPSP2のテストを行っていないにもかかわらず
XPSP2対応と表明しているのがその証拠でしょう。

これは本体のプログラム(ウィルスバスター2005)については行ったということではないのでしょうか。パターンファイルは、検査もれしたと。いずれにしてもこれを対応とは言えないのではないかと言う批判はされてもしかたがないと思いますが。


>なお、ウィルスの定義はいくつかありますが
「実行したコンピュータに悪影響を与えるプログラム」
という定義に基づくならば問題のパターンファイルは
ウィルスに分類されると思います。


悪意に基づいて配付されたものではないという意味ではウィルスではないですね。まあ、ここでの厳密性を争ってもしかたがないのですが。


こんにちは。

>>プログラマーのこういう硬直思考というか洒落が効かない所がイヤだ
>↑プログラマーに限らず,こういう人はあたしも苦手です.(^^;)

>わたしはいつも,フレキシブルでいたいです.

プログラマーの、と決めつけてはいけませんが、「ありがちな」というのは当たっているかもしれないと、自分では思います。
フレキシブルであることは、大事ですね。仕事の上でも、人間としての、という意味でも。

トラックバックありがとう!
って、トラックバックがなにかがわからない超初心者です。
ふむふむ・・・
 時給594円ではないのですネ?
プリンターのドライブがどこかに飛ばされたようでした。
ダウンロードした圧縮ファイルがあったので、もう一度解凍して、事なきを得ましたが、怪しいインターネットに繋いでしまったという、可能性もあったので、大きなことは言えませんでした。私のようにパソコンに詳しくない人たちの、その後が気になります。今回のお詫び以上に、一年間、無償でサービスくらいすればよいのにと思います。
 月額450円ですケド。
   鷲猫(猫:にゃ~)と読んでください。

私はもとプログラマですが、華麗に自分のことは棚にあげて、最後の行、激しく同意!

で、うちのボロノートくんはMeですので、件の被害にはあいませんでしたが、その前日、エンドレスにアップデートを繰り返したの、ご存知でしたか?
「なんでこんなにアップデートしてんだよ~」と半分怒りながら、でも動くのは動いてたので、放置して終了まで(結構長い)待ってたのです。

ところが次の日、XPの友人から「ごめんPCが立ち上がらないどうしたらいいかわかんない!」とのこと。ニュース速報でウィルスバスターのことを知っていたので、確認したらそれを使っているということで、サイトをこちらでみて、電話で「プライベートサポートセンタ」しました。一人人助け★
で、その際にサイトを見たら、前日の「延々アップデートもエラーだった」ことが書いてあったんです。
ニュースばっかり送ってよこさないでさ、そういうのを送ってきてよ、と思いました。

こんにちは。

>で、うちのボロノートくんはMeですので、件の被害にはあいませんでしたが、その前日、エンドレスにアップデートを繰り返したの、ご存知でしたか?
>「なんでこんなにアップデートしてんだよ~」と半分怒りながら、でも動くのは動いてたので、放置して終了まで(結構長い)待ってたのです。

そうです。このエンドレスアップデートも最近良く見受けられる現象です。うるさいほどに何回も出たりしますね。
パッチを配ってはそのパッチの穴をふさぐためのパッチをまた配るといった、MSみたいな悪循環に嵌らなければいいけれど・・

と言いながら昨夜、ウィルスバスターの会員期限更新をまたしてしまいましたが・・

 トラックバックありがとうございます。

 私はウイルスバスターは使ったことがないので利用感等は分かりませんが、確かパターンファイルの更新頻度が高いソフトでしたよね。そうなるとテストの時間がなかなか無かったんでしょうね。

>ウィルス退治する側がウィルスばら撒いて

 いや~、きつい冗談ですね。

こんばんは。

>私はウイルスバスターは使ったことがないので利用感等は分かりませんが、確かパターンファイルの更新頻度が高いソフトでしたよね。そうなるとテストの時間がなかなか無かったんでしょうね。

私は、ほとんどウィルスバスター一辺倒なのですが、パターンファイル更新頻度高いんですか?他のソフト(NISやマカフィー)ではパターンファイル相当分の更新はどうなっているんでしょう?
そんなに頻繁ではないのですか?とも思えないんですが・・使用者の方で何かコメントあれば・・

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