SNS

My Photo

BooksBooks

無料ブログはココログ

« 昨夜見た夢---はかなく、はかなく。 | Main | 最初の記憶----辿れない道 »

May 05, 2005

反日デモは鎮静化の模様だが----中国ネット検閲の実態

2005年5月5日の日経新聞によれば、中国の反日デモが鎮静化に向かっている理由の一つとして、反日サイトへの接続を、当局が遮断し始めていることを、理由の一つとして挙げている。
すでにこのサイトでも、中国におけるネット規制について触れたことがあったが、そこでの僕の認識よりも、調べてみると検閲の事態は遥かに進んでいるようである。

2005年4月19日の読売新聞では、「中国のネット検閲」として、この問題を扱っている。

それによれば、米ハーバード大、英ケンブリッジ大、カナダ・トロント大の合同チーム「オープンネット・イニシアチブ」の報告書によるとして、

「中国政府は世界で最も進んだインターネットの検閲体制を築き上げ、年々手の込んだものに進化させていることが米国などの大学がまとめた調査報告書でわかった。検閲には最先端のネット技術、法律による規制、官民による監視などを総動員しており、政府に都合の悪いサイトの多くをアクセス不能にしているという。調査チームはネット普及が民主化を促進するという楽観論は中国では通用しないかもしれないと指摘している。」

また

「具体的には「天安門」「法輪功」などのキーワードを監視対象にし、これらを検出できる装置やソフトをネット回線の“関所”にあたる部分に配置。さらに政府が認可した少数のプロバイダーに独自の検閲をさせている。またグーグル中国版などネット検索サイトには問題のあるサイトの掲載はさせていないという。」

ということである。

さらに

「ネット検閲を支えているのは米国のIT(情報技術)企業の技術だ。例えば、シスコシステムズのウイルス検出技術はキーワードの発見、除去に使われている可能性がある。」

という驚くべき実態に触れた上で、さらに

「中国政府は広範なネット検閲を行っていること自体を認めておらず、アクセスを不可能にしているサイトのリストも明らかにしていない。このためネット利用者は「何を知らされていないか分からない」(パルフリー教授)という。」

「中国のネット人口は1億人近くで、世界1位の米国を追い抜く勢いだ。報告書はこうしたネット大国で「広範な検閲が行われていることは世界中のネット利用者にとって懸念すべき問題だ」と指摘。他の情報統制国家の検閲のモデルになりかねないと危惧(きぐ)している。」

と結ばれている。

この技術が今回の反日サイトの押さえ込みに効果を発揮した可能性が高い。

また、2005年4月16日の東京新聞によれば

「「法輪功」「天安門」「台湾」「チベット」…。

報告書によると、中国当局が決めたこういった単語を含むサイトやアドレスに接続できなくするのが検閲システムだ。
当局が神経をとがらせるであろう単語それぞれについて、検索エンジンで上位百位に入るサイトを対象に、中国国内から接続できるかを調査した。
 その結果、中国語サイトで接続できなかった率が高かったのが「中国労働党」で93%。「ナインコメンタリーズ(九評)」「天安門大虐殺」が90%でそれに続く。「ナインコメンタリーズ」は、台湾、香港、日本などで発行されている週刊華字紙「大紀元時報」による中国共産党の批判的論評だ。」

「非接続率をその他の微妙な政治問題で見てみると、「法輪功」は44%、「法輪大法」で73%に上った。「チベット」は9%だが、「ダライ・ラマ」になると54%に跳ね上がる。なぜか「台湾」(8%)「台湾独立」(25%)には寛容だ。」

とあり、極めて細かな検閲システムが実際に稼動していることが、実証されている。
さらに興味深いというか驚くのは、

「同様に検閲体制を敷く他国の場合は、検閲で閲覧できなくしたことを利用者に明らかにするが、中国の場合「タイムアウト」「エラー」など技術的問題を装い、それが検閲による規制だとは利用者には分からないようにしてある。」

つまり、あからさまに「検閲」だとわからないように、エラー表示で検閲の実態を隠蔽しているという。
ここでも、米国系企業では具体的にシスコシステムズやノーテルネットワークス、サンマイクロシステムズなどの名前が挙がっており、特にシスコシステムズに関しては、内部告発者が「中国のために特殊なローター(データの送信経路を決定する装置:原文ママ)を開発した」と明らかにしている。
こうした米国系企業の動きについては、今後米国内で問題化される可能性があるのではないだろうか。

さらにプロバイダーへの法的な締め付けについても報告書は指摘している。プロバイダーは、顧客管理などを義務づけた法に違反すれば、免許の取り消しやスタッフが逮捕される可能性があり、2001年にはインターネットカフェの集中的な取り締まりで、8000店が閉鎖を余儀なくされ、遼寧省だけで5000店で警察が検閲ソフトを導入させたという。
また検閲を行っている組織について「中国の国家情報化指導グループで、その下に情報産業省、地方の公安部、国家コンピューターネットワーク不正アクセス防止センターなど、いろいろな機関がある」と説明する。4月14日付米ワシントンポスト紙電子版も「確認はできなかったが、監視する『インターネット警察』は30,000人いるともいわれる。関与する政府機関は11ある」と報道している。

今回発表された調査の中心となった1人でハーバード大学ロースクール『インターネットと社会のためのバークマン・センター』責任者の、ジョン・ポールフリー氏によると、例えば、サウジアラビアではインターネットを管理するため、すべてのトラフィックを統制機関に集中させ、ここが場合によっては監視を行なうという手段を主に使っている。この場合、禁止されたサイトにアクセスしようとすると、要求はブロックされたというメッセージが表示される。
「それに比べると中国ははるかに巧妙だ」とポールフリー氏。「ブロックされたことすら知らされない。存在は知っているのにアクセスできないとユーザー側にわかってしまう手法に比べると、こちらの方がより効果的だ」としている。

一方で、このネット検閲を潜り抜けるネットユーザーもおり、その実態が2003年6月26日のWiredに紹介されている。

« 昨夜見た夢---はかなく、はかなく。 | Main | 最初の記憶----辿れない道 »

Comments

なんだかすごい統制がされているんですねぇ…
ネット規制の最先端を行ってるってことですか。
でも、IT技術というのは、自国の情報ネットワークをサイバーアタックから守る技術でもあるわけですから、日本でももっと研究はしないといけないんじゃないかと思いました。

こんにちは。

>でも、IT技術というのは、自国の情報ネットワークをサイバーアタックから守る技術でもあるわけですから、日本でももっと研究はしないといけないんじゃないかと思いました。

そうですね。ちょっと日本にはその分野まだ不安要因アリ。もちろんその技術を国民の規制に、向けてこられてはたまりませんが。

それに、米国主要IT企業の技術が中国の規制の根幹を担っているというのはちょっと、いかなるものかと思いますね。

Post a comment

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/28156/3993681

Listed below are links to weblogs that reference 反日デモは鎮静化の模様だが----中国ネット検閲の実態:

» 中国暴動問題・最善の選択肢 [つれづれのままに・・・WebLog]
前回も少し書きましたが、昨日・五月四日は「五・四運動」記念日だそうで、中国で反日デモや暴動があるのでは・・・と心配されていました。 しかし中国政府が取締りを強化した為(BigBanさんに書かれているように中国政府によるネット規制の強化もあったのでしょう)か、幸いな事に大きなデモ・暴動は無かったようです。 「中国政府が取り締まる事でデモが起きないのなら、何故先月の暴動が起きてしまったのか?」�... [Read More]

» 韓国・中国「歴史教科書」を徹底批判する [平々凡々的日々]
TBありがとうございました。 [Read More]

» 中国の反日サイトが閉鎖声明らしいです [付加的戯言@WebryBlog]
中国の反日サイトが閉鎖声明をしたらしいです。 [Read More]

» ネット検閲がもたらす究極の監視社会 [メディア探究]
インターネットは、民主主義を発展させる強力なツールなんだと素朴に思っていた。直接民主制が実現したり、伊藤襄一氏が提唱する「創発民主制」(pdf)という概念に表さ [Read More]

» 中国、反日デモを阻止 [東亜マンセー協会]
中国当局は1919年の抗日闘争「五・四運動」の記念日にあたる4日、北京や上海の大通りなどに警察官らを多数配置し、天安門広場を一時封鎖するなど大規模な反日デモを抑え込む厳戒態勢をとった。また北京大学は学内での反日運動を防止するため、部外者の立ち入りを厳しく制限し、大使館、大... [Read More]

» 中国人よ、君達に民主化は無理 [=社説は語る=]
今日は、新聞が休刊日です。 社説の代わりに、中国人に熱い手紙を書きます。 もしも、これを読んだ中国人がいたら、返事をください。 (日本人でもいいですけど・・・。) GWに、京都から会津若松へ、プチ旅行してきました。 明治維新を肌で感じる旅でした。 維新の熱いエネルギーを感じてきました。 なぜ、日本では明治維新が起こったのでしょうか? 日本に黒船がやってきたとき、多くの人は攘夷派でした。 元寇を神風がやっつけたように、神国日本を過信していました。 しかし薩摩藩や長州藩は外国... [Read More]

» ついに日本のニュースでも紹介。 [みあーたをもとめて in カナダ - ておしるばにあブログ]
ついに、日本のニュースサイトに画像付で紹介されました。 カナダ・バンクーバーでの反日デモ。 バンクーバーで中国系が反日デモ - livedoor ニュース【バンクーバー5日】日本の歴史教科書に抗議する中国系カナダ人ら数百人が5日、カナダ・バンクーバーの日本総領事... [Read More]

» 反日デモは起きなかった [ねこまんま]
中国、反日デモ発生なし 抗日記念日に厳戒態勢 (共同通信) - goo ニュース 無事に5月4日は乗り越えました。ほっとする反面、この間の中国政府の対応を見ていると、その弾圧ぶりにさすがは共産党一党独裁国家だと思わずにはいられませんでした。 民主主義こそが最高の価値であって、それを世界に広げることが正義…なんて事はさすがに思いませんが、日本の安全保障のためには隣に共産主義国があることは不安の一因です。 だから、... [Read More]

» かの国が困ることを意図的に隠すので多面的な報道ができないマスコミ [こん]
 中国では、言論統制されているので、情報発信サイトが中国当局によって強制的に閉鎖されることは、日常茶飯事です。 ・反日サイトの総本山を中国当局が閉鎖! ′方、日本は、安心なのでしょうか? インターネットを利用しているみなさんは、多分、今まで次のようなことを..... [Read More]

» インターネットを制圧した国家、中国 [TIME ガイダンス-choibiki's BLOG-ホンモノで学ぶ、英語を学ぶきっかけ探し]
China\'s web watchers ・・・タイムの記事へ    何かと自信を深める中国政府に、またひとつ驚かされたことがあります。それは、このインターネットが無秩序をもたろうとされる時代にあって、他の先進国に先駆けるように、それを実現したからです。これは単に、抑圧的な政府が自由に勝ったという一面的な見方ではありません。あまりに野放図になっていくネットに、現在の権力は負けてしまうのかという命題に関わってきます。 先日、中国の一党独裁が諸悪の根元と言い放った男が、逮... [Read More]

» 靖国、反日…書かねばなりませんか? [+ 修行生活 +  「秀外恵中」をモットーに、目下激しく修行中。]
要人による参拝が行われた国=青 参拝に反対している国=赤それに加えて参考<靖国違憲判決?>について:実は違憲ではなく↓こういうことだったそうで…(以下拾い物)【解説】大きく分けて、判決文の内容には以下の3種類の区分がある。 1、判決主文 ⇒ いわゆる「判...... [Read More]

« 昨夜見た夢---はかなく、はかなく。 | Main | 最初の記憶----辿れない道 »