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June 23, 2005

今とは違うどこか別の世界の空----ベネット彗星のことなど。

benet

今夜は、もう少し別のことを書こうと思っていたのだけれど、ブログを巡回していて「札幌から  ニュースの現場で考えること」の高田さんの記事を読んだら、星空のことを思い出した。僕も天文少年だったからね。

※そのころの自慢話は、「しし座流星群」の時にここにも書いた。

高田さんはウエスト彗星のことを書いているけれど、僕が覚えているのはベネット彗星だ。(これも相当古いぞ。みんな調べるな!)確か生まれて初めて見た彗星だったように記憶している。明け方の空に長い尾を引いて現れた姿は今でも心の中に残っている

その頃暮らしていた八王子の、都営住宅の屋上に、天体望遠鏡を持ち出しては星を見るのがあの頃の日課だった。花火の夏の夜も、凍えて寒い冬の夜も。
うちは狭かったので、望遠鏡は毎回畳まないと置いておけず(苦笑)、従って毎回望遠鏡を組み立てて星を見るという、ずいぶんご苦労なことをしていたのだ。

あの頃は祖母も元気で、夜中でも明け方でも望遠鏡を覗いている僕の横で、所在無げに時間をつぶしていたものだった。時々、「見える?」などと適当な声をかけ、それでもその僕の見ている対象にはそれほど興味が無い様子で、屋上の片隅で座っていた。

たまに、都営住宅に住んでいるほかの家族や、子供が興味を持って寄って来ることがあった。そういう時には照れながら望遠鏡を貸したりしていた。もうウン十年も(笑)昔の話だ。

今はもっと都心に住んでいて空も明るく、星を眺める機会はほとんどない。驚異の小型プラネタリウム、メガスターの記事に胸を躍らせたり「everynight」という素晴らしいブログを時々眺めたり、「Newton」の相対性理論の特集は買いそびれたのでぜひ買いたいとか、思ってしまったりしているのは、あの頃の名残だけれど(そう言えばこのブログのタイトルも多分そうだな。)、夜の空と空気はやはり今とは、どこかが確実に違っていたように思う。

冬の夜に「昴」を見つめて、溜息のように吐いたあの息の白さは、やはり戻ってはこない「今とは違う白」だったし、暗黒から次第に白んでいく空の「曙」は、今とは違うどこか別の世界の空だったとさえ思う。今となっては遠い遠い夜空である。

祖母は90を超えてまだ健在だが、星どころか、僕の顔も良く見えなくなった。あの時、望遠鏡を据えた都営住宅に、僕はもう住んでいないが、老朽化のため、まもなくとり壊され、その後は七階建ての高層マンションに生まれ変わる予定だ。

星を眺めたり、カメラに興味を持って天体写真を撮ったりするのは中学まで続いたが結局は趣味で終わり、僕は結局天文学者にも、カメラマンにもならなかった。

子供の頃になりたいと思った職業に就ける人は、初恋の人と結婚できる人と同じくらいに幸せで稀有なことなのかもしれないが、これもまた初恋の人と同じく、思い出にしておいたほうがいい場合もありそうだ。

少なくともそう思うことにしている。

また叙情に走った。だめだ。だめだ。

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Comments

たまに叙情に走っても、良いではないですか。私はBigBangさんの、こういう文章は大好きです。

ベネット彗星は、私は全く知りませんでした。何せ、ベネットのときは10歳でしからね。記憶にあるのはジャコビニ流星群が大出現するかしないか、という夜のころからです。その夜は天の底が抜け落ちたかと思うくらいの大雨になり、ラジオが「シベリアでは思ったほど出現していません」というのをじっと聞いていた覚えがあります。

なんだか、とても懐かしいな。

こそっと…。
私も大好きですよ。BugBanさんのこういう文章。
おお、便乗しちゃいました。

ジャコビニ流星群は、72年10月9日。

松任谷由美の曲にもなっていて(「悲しいほどお天気」の「ジャコビニ彗星の日」。)確か「シベリアでもあまり見えなかった」は彼女の曲の歌詞にも出てきていますね。
部屋の灯りを消して流星群を待つ、でも流星群を見ることは出来なかったというような歌詞だったと思います。

ジャコビニ流星群は、最大のがっかり流星群といわれ、日本中が熱狂し望遠鏡は飛ぶように売れ銀座のネオンまで消す騒ぎになったのに、ほとんど見ることができなかったんですね。

それで冒頭の曲にまでなったのでした。

>たまに叙情に走っても、良いではないですか。私はBigBangさんの、こういう文章は大好きです。

感謝。


なおこさん、今晩は。

>こそっと…。
>私も大好きですよ。BugBanさんのこういう文章。
おお、便乗しちゃいました。

こそっとしなくていいです。
もっと大きな声で言ってください。


BigBanさん、こんにちは!
私もBigBanさんの叙情に走るところの大ファンです。
私はBigBanさんの記事は全方向、読んでいますが
コメントするのは、ほとんどが叙情のほうですね。
それはいつも申しわけなく思っています。

私は天文の知識はまるでありませんが、
ただ空を見ているのが好きです。
最近、火星の青い夕焼けのことが話題になっていました。
地球と似た惑星も発見されたそうですね。
宇宙には私たちの知らないことが満ち満ちてますね。
そう思うと、生きていくのも楽しくなります。
ではまた!

今晩は。chiikoさん。

>私はBigBanさんの記事は全方向、読んでいますが
コメントするのは、ほとんどが叙情のほうですね。
それはいつも申しわけなく思っています。

「叙情じゃないほう」はないほうで、声のかけようもないときがありますからね。笑 自分で言うのもなんですけれど。

>宇宙には私たちの知らないことが満ち満ちてますね。

人間が存在し続ける限り、わからないことがあり続けるだろう世界ですね。それがあるからこそ、人類も「励みに」生きていけるともいえるかもしれない。

もしも驕るとすれば、それを阻止してくれる、決して超えられない最強の最終ラインでもありますね。

おやすみなさい・・

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このところ毎晩、送別会が続いている。一晩に宴会が2つ、という日もあって、お誘いは本当に有難いと思う。で、ブログの更新も連日、こんな時間になる。 「こんな時間」ということで言えば、30年ほど前の「ほうき星」を思い出す。昨晩の夏至の話のときにも書いたのだけれど、私はかつて星が大好きで、本気で天文学者になりたいと思っていた。そんな時期に見たのが、ウエスト彗星という名の大彗星である。あれは、3月だった。郷里の南国・高知もまだまだ寒く、でも、途方も無い大彗星が接近しているという話を星好きの友人たちから聞... [Read More]

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