SNS

My Photo

BooksBooks

無料ブログはココログ

« 深夜のJ-Waveにやられたが-----「宇宙戦争」よりも怖いもの | Main | 「影響力の強いブログ50位」にランクインしたぞ。-----でも「影響力」ってなんだ? »

June 29, 2005

天皇皇后慰霊の方程式-----なぜ今サイパンなのか

banzai

確かにバンザイクリフでは僕も絶句した。ここは、日本という国の悲しさに二重に向かい合うことができる場所である。

1つは、言うまでもなく60年前の玉砕の修羅場が演じられた究極の場所であるということ。
次々と人が飛び込んだ断崖絶壁は、その映像が残っているという厳粛な事実をもって、ここが悲劇の場所であったということを心底まで知らせてくれる。

そしてもう1つは、太平洋戦争などにいささかの興味もないままに、退屈極まりないといった表情をしてさっさとバスに戻っていく、皇国日本の多くのバカ観光客にこの地で接することへの悲しみである。

1944年6月から1ヶ月間、サイパンはアメリカ軍による艦砲射撃と戦闘機、そして火炎放射器による攻撃を受けた。ミッドウェイ決戦後,日本軍は太平洋上で連戦連敗し,1944年7月には、ついにサイパンを奪取された。
この戦闘で死者は日本側軍人38,000人、日本の民間人12,000人、合計50,000人に及んだと言われている。
サイパン陥落後はグアム・サイパン・テニアンなどのマリアナ基地、後にはさらに本土に近い硫黄島が次々と陥落した。
東京上空にB29が初めて姿を現わしたのは,1944年11月1日である。このB29は,サイパンから飛来したものである。そしてあの東京大空襲につながっていく。

サイパンの陥落は、まさにその後の日本の運命を決めたのである。

しかし、この時期なぜサイパンなのか。

ずっと不可解な念を拭い去れなかったが、今日、天皇皇后が韓国人慰霊施設を訪問したと聞き、妙な納得感を感じた。胸の中ですとんと音がした。
もとより、今回の訪問には、サイパン在住の韓国人より、慰霊施設を訪問するよう、要望が出ていたが(また一方で反対運動があったことも事実である)事前に宮内庁から返答はなかった。

だか結果的には今日、天皇皇后は慰霊施設の前に立った。
※この件、車の中からの礼だったという情報もあるが、どうなのだろう。未確認。

【6/29加筆】
韓国の中央日報によれば「天皇はこの日午前10時から4分間、平和塔前の道路に立って黙祷した。 」ということだ。

元来サイパンへの慰霊が決まった時から、この成り行きは予想できなかったものでもない。というよりも、サイパンへの慰霊を決めた時点で、この時節柄、なにやら政治的な思惑もあったのではないかと穿った見方をしてしまうのは、僕だけだろうか。

つまり、慰霊の旅が決まった当初から、この一連の出来事がプログラムされていたのではないかと思えてならない。こともあろうに、あの信念の火だるま政権、小泉首相の暴走外交の尻拭いを、賢くも陛下が務められるという、甚だ美しくない図式が計画された疑いがある。

サイパンの慰霊の旅はそうした方程式だったのではないか。

まあ、そうした政治的な計算が裏にあったにせよ、なかったにせよ、あのバンザイ・クリフに皇后と二人で立ち祈るその立ち姿には、感銘を感じたのは事実。制度としての天皇制はともかく、人格としての日本の皇室は、アジア周辺諸国の狭量あるいはテロルな「元首」にも、当国の首相にも期待が持てない中、少なくともご本人の気風は際立っていたと言ってもいいだろう。

穿ち過ぎず、信じすぎず、しかし厳粛に受け止めよう。

« 深夜のJ-Waveにやられたが-----「宇宙戦争」よりも怖いもの | Main | 「影響力の強いブログ50位」にランクインしたぞ。-----でも「影響力」ってなんだ? »

Comments

こんにちは TB送らせていただきました。
おっしゃるとおり、慰霊訪問の周囲で政治的な計算が働くことは不可避ではありましょう。
しかし、青い海に向かって二人が腰を折る姿に、自分も胸を衝く思いをしたのは事実です。あの場所に立ったことのある人にはわかると思います。
元サヨクのくせに、皇室パフォーマンスに絡め取られるとは何事ぞ、と総括されそうですが(笑)

お久しぶりです。私もTBさせていただきました。

>しかし、青い海に向かって二人が腰を折る姿に、自分も胸を衝く思いをしたのは事実です。あの場所に立ったことのある人にはわかると思います。

はい。そうですね。
私がここを訪ねたとき、ガイド(現地の人です)は泣きながら解説をしました。ここに立つ直前まで、太平洋戦争の戦跡巡りなどという考えはなかったんですが、この崖に立ったときに、自分の中で、明らかに空気が変わりましたね。

場は、記憶を保持するんですね。

周囲の思惑は山ほど交錯していますが、行って下さってよかったと思っています。

以下のURL(長すぎるかしら)は、創作漢詩のホームページの最新の投稿ですが、「莫忘塞班島」という作品が載っています。バンザイクリフのことを詠じた漢詩と短歌。

 崖に飛ぶ影は鳥にはあらずして赤子抱きたる大和撫子

http://www.chitanet.or.jp/users/junji/kansi/2005/toko2005-11.html#2005-157

長すぎる場合はトップページのURL。
http://www.chitanet.or.jp/users/junji/kansi/index.html-ssi

お久しぶりです。ご紹介のサイト拝見しました。テレビで見た映像が思い出されました。間もなく12月8日ですね。

バカ観光客というのはどうかと思う

Post a comment

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/28156/4754792

Listed below are links to weblogs that reference 天皇皇后慰霊の方程式-----なぜ今サイパンなのか:

» ●陛下の御心、韓国の新聞。(サイパン慰霊) [+ katariya blog +]
陛下のサイパン慰霊の旅 韓国慰霊碑訪問に対する韓国誌の反応  ご存じの通り、今回サイパンへの慰霊に旅立たれた天皇陛下ご夫妻に対し、サイパンの一部在韓国人によって「韓国人慰霊碑を拝め」という要望がなされていました。これに対して日本は、陛下がいらっしゃる慰霊碑は「国籍を問わない被害者」を祀ってあると主張し韓国人慰霊碑には行かない意向を示していました。 ところが、昨日突然陛下のご意向によって、韓国人慰霊碑への陛下の訪問が実現したわけです�... [Read More]

» 「スーサイドクリフ」「バンザイクリフ」の断崖から [++つぶやき手帳++]
サイパンで両陛下が慰霊、沖縄・韓国の塔にも拝礼 (6月28日:読売新聞) 「歴史的」と関係者に驚き 両陛下の韓国碑訪問(6月28日:共同通信) サイパン島ご訪問ご出発にあたっての天皇陛下のおことば(宮内庁) 天皇夫妻は「中部太平洋戦没者の碑」に花を供え、「スーサイドクリフ」と呼ばれるマッピ山の断崖の突端まで進んで黙祷をした。そのあと北端のサバネタ岬にある断崖「バンザイクリフ」を訪ね、海に向かって黙とうをした。二人は戻る途中、「おきなわの塔」「韓国平和記念塔」のところでも車を降り、拝礼し... [Read More]

» 今上天皇のファンです。 [Fireside Chats]
戦没者慰霊のためにサイパンを訪れた際、韓国人戦没者慰霊碑に詣でた天皇・皇后。 この人たちの聡明さには、つくづく頭が下がる。 現今の状況を踏まえ、首相の靖国参拝でささくれだった日韓関係の修復のために一石を投じたとの解釈も可能だろう。 しかし、この人たちからは、そうした近視眼的な弥縫策にとどまらず、慰霊の気持ちがひしひしと伝わってくる。 皇太子時代の両陛下の出席する式典をディレクションしたことがある。 19... [Read More]

» 慰霊と国家 [たゆたえど沈まず]
両陛下がサイパンのバンザイクリフをご訪問になって、韓国人慰霊地もカヴァーされて、 [Read More]

» Candid   /   photofriday [minorugged / design,graphic,...]
*引用資料:TBS News i Photo Friday テーマ:Candid 【素直な、包み隠しのない】、 に関連して少し古いですが、半月前の6月28日、2つの出来事から。 「これまで誠実に真実を語ったことなど一度もなかった被告が、 突然、真相を吐露始めたなどとは到底考えられない、よって被告人を死刑に処す」 7年前の和歌山カレー事件の容疑者として起訴されている 林真須美被告への2審判決、冒頭文である。最初この下りが 耳に入ってきた時は、果たしてこれが裁判長の書くものなの... [Read More]

« 深夜のJ-Waveにやられたが-----「宇宙戦争」よりも怖いもの | Main | 「影響力の強いブログ50位」にランクインしたぞ。-----でも「影響力」ってなんだ? »

-