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September 13, 2005

投票日の翌日に------偽のテントウムシ

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どうしてあんなことができたのだろう。今の自分からは想像ができない。

もう何十年も前の子供のころの情景である。小学校の低学年のころだったと思う。数人の遊び仲間が、「テントウムシ」を捕まえてはしゃいで囲んでいた。覗き込むとそれはニジュウヤホシテントウだった。テントウムシには似ているが、全く違う虫である。

「それはニセモノだよ!」

と僕は言い張ったが、誰も聞こうとしない。

「テントウムシだよ。」
「そうだよ、テントウムシだよ。」

本物だ、いやニセモノだと言い合ううちに、自分の言い分が正しいのに認めてもらえない、どうしたらいいかわからない焦燥感にかられた僕は、今思うと信じられない行動に出た。
「テントウムシ」を大切そうに取り囲んでいる子供たちの輪に駆け寄ると、その中に飛び込み、彼らが大切そうに取り囲んでいるその虫をいきなり、両足で踏み殺したのである。それも何度も、何度も踏み続けた。

なぜ自分がそんな行為に出たのか、今ではその気持ちを正確に思い出すことはできない。しかも僕は虫の大好きな、そこは普通の男の子だったのである。自分の言い分を相手にされなくて、きっと世界に独りきりになったような錯覚に陥ったのだろう。

思いもかけない乱暴な行為に、子供たちが息を呑んだ。

「こんなのテントウムシじゃない。ニセモノだったら!」

次の瞬間、自分の腕が乱暴に引っ張られ、体がふっと宙に浮いた。祖母が見ていたのである。

それから後のことはよく覚えていないが、僕は祖母によって、もしも自分がテントウムシであったなら、とっくに何度も踏み殺されているだろう、そんな制裁を受けた。ただ1つ違うのは、僕の体は大きくて祖母が踏み潰せなかっただけのことだ。こういう時の祖母の激烈さは、その後社会に出ても、どんな厳しい人に出会っても、二度とお目にかかれないくらい激しいものだった。

「謝れ!」

と迫る祖母に、それでも僕は

「あれはテントウムシじゃない、テントウムシじゃない」

と泣きながら足をばたつかせて言い張っていた。

僕に大切な「テントウムシ」をいきなり踏み潰されて呆然としていた子供がそれでも僕のほうを見ながら

「テントウムシだよ・・・」

と悲しそうにつぶやいていた表情を忘れられない。

この記憶のためかどうかはわからないが、今、僕は全く虫を殺すことのできない大人になった。

蚊などは「しかたがなく」つぶすことがあるが、家の中に入ったアリ、クモ、その他わけのわからない虫であっても、基本的に殺すことができないので、何とか「穏便に」家の外に出てもらおうと、涙ぐましい「努力」をする。馬鹿みたいである。

親しい人が、情け無用とばかりに小さな虫を叩き潰す様子を見ると、いったいどうしてそんなことが思い切りよくできるのかわからない。思わずその表情を覗き込む。

あのときの自分の振る舞いが思い出されるのか、見ているだけで身がすくむ。

遠い遠い幼い日。

期せずして自民が大勝した翌日。

なぜかそんなことを思い出した。

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Comments

 お久し振りです。
 その幼い時のBigBangさんの気持ちが、痛いほどよくわかる今の私です。

ご無沙汰しております。非常に重要な「勝負」ではありましたが、見方によっては「たかがひとつの選挙」でしかありません。小選挙区制とはなんだったのかがようやく私たちにも、民主党にもはっきり見えた戦いだったと思います。

もちろん、相手が偽者だったとしても、踏み殺したりすることはできません。もっとうまく堂々とした戦術で「本物と差し替えれば」いいのです。

せめてそうして前を向くことにします。

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