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November 19, 2005

板門店レポート(6)----若い兵士たち

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※写真はいずれもクリックすると拡大します。

●板門店レポート(1)----変り始める空気
●板門店レポート(2)----敵の行動によっては死亡する可能性があります
●板門店レポート(3)----JSA内へ
●板門店レポート(4)----軍事境界領域の村、大成洞
●板門店レポート(5)----奥の軍人の背後には

軍事委員会の建物を出て、ようやく僕たちにはほっとした雰囲気が立ち込めた。最前線の休戦ラインをまたぐ会議室は、独特の空気に満ちていて、心底疲れた。双方の兵士の一時も途絶えない緊張の糸が僕たちに重くのしかかっていたのだと思う。
板門閣から手を振る北側の観光客になぜ手を振り返すことができないのか。宣伝に利用されると言われれば、なるほどと思わないこともないが、そうした僕たちもまた、ここでは国連軍と韓国人通訳の言うことをそのまま信じて動くしかないのである。それが軍事緊張のエリアでの、どうしようもない現実であり、こうして日本に帰ってきて安全圏でモノを述べるのとは、何か決定的な差異が、確かにある。

ところで、展望台からあらためて旧板門店、「帰らざる橋」そして北朝鮮を望む僕たちの前でハプニングが起きた。この日除隊を迎える若い兵士が、除隊の記念のペナントを、僕たちのツアーのいずれか一人に渡したいという。

これは観光目的の凝った演出かと思ったが、「常連」のFさんによれば今までに経験がないと言うから、おそらく珍しい出来事であったことは確かなのだろう。

兵士は、僕たちツアー客を無表情に見渡すと、その中でももっとも若いと思われる女性の前に行き、無表情で、しかしはにかんだようにペナントを差し出した。

韓国人通訳の女性が言う。

「あーら。やっぱりみんな若くて可愛い子がいいのね。絶対私がもらえると思っていたのに残念だわあ」

みんながどっと笑う。兵士も照れたような様子で、その後女性と記念写真のツーショットを撮っていた。そこにあるのは、あのミョンドンを休日に歩いていたような、ごく普通の韓国の若者の姿だった。

気がついた。
思えば僕たちはこのとんでもないエリアに来てから、初めて笑ったのだ。
笑いを忘れていた。この数時間。

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(ペナントをプレゼントした女性と記念写真を撮る兵士)

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(これがその除隊記念のペナント)


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(リラックスしている若い兵士たち)


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(旧板門店にある帰らざる橋。捕虜交換などがここで行われた。
この頃は南北の兵士が互いを比較的自由に行き来した。)



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(一列に並んでバスを見送ってくれる兵士たち)

●板門店レポート(7)------臨津閣の「世界一危険な」コンビニ。そしてソウルへ

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» レストランだと思っていました [そのうち英検一級取りますんで、気長に夜路死苦(笑)。]
板門店のことです。 そこでよく会談をしていたので、料理を囲んで北と南の人がお話をするのだと信じていました。 まあそんな昔の馬鹿話は置いておいて、ソウルに行けた板門店を訪れようと思っています。 もし出来たら、北朝鮮が見えるという展望台にも行ってみたいです....... [Read More]

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