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January 18, 2006

ライブドア強制捜査に思う---投資事業組合とか「ごめんね」とか

hills

報道番組はいい加減に、こういうとき、何にも考えてなさそうなディレクターがやっつけに、何にも考えてなさそうな通行人とか、新聞読んでないようなギャルとか、證券会社前で1日掲示板にしがみついている、なぜかハットかぶったじーさん達とか、つかまえて「街の声」とかやるのやめてくれないだろうか。そしてもっとやめて欲しいのは、自分がマネーゲームやってるくせに「マネーゲームが行きすぎだよ」とか「カネカネいい過ぎたんだよ」とか、株価暴落の腹いせに兜町でコメントしている路上のあんた!そこのあんただ!(失礼しました。)

それにしても、東京地検特捜部の向かう先にある六本木ヒルズは、天に高くそびえていてその向こうに青空が広がり・・じゃなかった夕暮の空が広がり、何か夢かドラマか、映画のワンシーンのようだった。貧困から身を起こした主人公がいつかIT企業のトップに座るが、幼い頃の純真さをなくしていつしか冷酷になっていく・・その頂点で東京地検の特捜部が動き、彼の本社が囲まれる・・って、草薙君のドラマか。これは。そういえばあれはフジテレビのドラマで、確かモデルは堀江その人。舞台も確か六本木ヒルズじゃなかったかな。違ったかな。東京地検は出てこなかった?ま、いいや。

などと、ごちゃごちゃ言うようなテーマではない。冗談ではない。今日の出来事は現実なのである。ファイナンス関連担当の宮内取締役が事態を聞いてから、中国から慌てて帰国したことから見ても、ライブドアにとっては不意打ちをを食らったに等しい捜査だったと考えていいと思う。

ライブドア宮内取締役、辞任の意向・株取引「違法性ない」

出張先の中国から帰国した宮内氏は「無責任ととられても困るので、関係者と協議して決めたい」と述べており、堀江貴文社長らと相談した上で進退を最終判断するとみられる。宮内氏はマンション販売のダイナシティの社長に2月に就任することも内定しているが、この人事を白紙に戻す可能性を示唆している。
 堀江社長の責任について宮内氏は「堀江は本件の買収はわかっていない。法的な責任はない。あるとすれば私」との見方を示した。捜索後、堀江社長から「大変だよ」と言われ「ごめんね」とあやまったという。
日経新聞・2006年1月18日

ごめんねって・・・何だかカワイイな。違うか。

ところで今回株式分割が問題になっているが、元来、株式分割はそう自由にできるものではなかった。平成13年6月に商法が改正されるまでは((10月施行)以下の条項があった。(改正前商法218条第2項)

(1)株式分割後の額面総額(=額面金額×分割後の発行済株式総数)が資本金の額を超えないこと
(2)株式分割後の1株当たり純資産額が5万円以上であること

純資産が5万円を超えない会社、つまり赤字会社であれば株式の分割はできなかったのであり、そう安易に実行できる手ではなかった。
さらに、会社は発行できる株式数(授権株式数)をあらかじめ定款で定めておかなければならず、この授権株式数を変更するためには、株主総会の承認を得なければならなかったが、取締役会決議により行うことができるようになった。(2種類以上の株式を発行している場合を除く。改正後商法218条第2項)。具体的には、授権株式数を増加させる取締役会決議を経ることで、株を分割することが可能になっている。

さらにこのときの改正では株式分割・株式併合の純資産額制限の撤廃以外にも

●単位株制度を廃止し、単元株制度を導入。(1株あたりの資産に関わらず、会社が自由に売買単位を設定できる)
●額面株式の廃止。

などを決めている。商法改正はこの後も平成13年11月、平成13年12月、平成14年5月と改正され、株主総会定足数の緩和や、最低資本金の特例(1円資本金の株式会社など)、株主総会の開催通知や議決権の行使を電子メールで出来るようになるなど、商法上の大幅な規制緩和へと向かって動いていくのだが、ライブドアもまさしくこれを追い風にして伸びてきた。堀江の株式分割による錬金術は商法の緩和無しにはなされなかったし、国もこれを通じて小規模の企業が急速に規模拡大をしていくことを後押しした。ベンチャーブームも、ITバブルも国のこうした政策によって後押しされたのである。
こうした国の法制改革の一連の流れに全く触れず、ここぞとばかりライブドアを「マネーゲーム」だとか「錬金術」だとか、證券会社のロビーのおっちゃんたちと一緒になって、端的に批判するのはおかしいのであって、フジテレビ事件であれほど「俄かM&A評論家」を大量生産したこの国の報道も、つくづく喉元過ぎれば・・である。

と、あたかも堀江ライブドアに同情的に始まったようなエントリーだけれど、別にそういうわけではない。今までの批判的立場からして今回の事件を無視することもできないだろうから、ここで簡単にポイントを押さえてみたい。

ライブドアマーケティング社がマネーライフ社に、あらかじめ「迂回投資し」「風説の流布」のためのダミーとして使ったとされる投資ファンド「VLMA2号投資事業組合」の、ライブドアマーケティング社あるいはライブドア社との一体性が問題になると思われるが、
IRはここ

また投資事業組合とは

投資事業組合とは、株式公開を目指すベンチャー企業の発行する有価証券に投資することを目的として、ベンチャーキャピタルを中心に金融機関や事業会社、個人などが参加して組成するファンドのことです。
投資事業組合のなかでも、投資事業有限責任組合は、無限責任組合員(GP)と有限責任組合員(LP)で構成され、有限責任組合員(LP)は、出資金額以上の責任を問われず、リスクを抑えることが出来るようになっています。
通常、ベンチャーキャピタルは、業務を執行する無限責任組合員(GP)として、組合活動期間(弊社の場合は10年)中に出資者【無限責任組合員(GP)+有限責任組合員(LP)】から預かった資金を未公開企業に投資し、育成を行います。
また、株式公開に伴うキャピタルゲインの回収など出資者の期待に応えられるよう、投資事業組合を管理、運営します。(http://www.kvp.jp/about/fand.html

法的根拠は
投資事業有限責任組合契約に関する法律(ファンド法)について(平成16年12月1日経済産業政策局産業組織課)

が詳しい。今回の「VLMA2号投資事業組合」がこの法規に照らして適切に運用されていた組織であったか、それともライブドアグループの傀儡であったかどうかが問われることになろう。

【1/20追記】

本日朝の日経新聞に以下の記事が掲載されたので加筆する。

これらの投資組合(ライブドアが買収に使った「傘下」とされる3組合--EFC投資事業組合、M&Aチャレンジャ-1号投資事業組合、VLMA2号投資事業組合)は民法上の「任意組合」とみられ、運営の責任持つ業務執行組合員と出資者の間で契約書を交わせば簡単に設立できる。株式会社のように登記の必要がなく外部への情報開示の義務もない。

確とは断言できない記事「みられる」表現であるが、事業有限責任組合法に従って登記設立されたものではないようである。しかし、そうなると今度は太字の部分と、ライブドアも主張する東証への開示義務不要論との整合性が問われることになる。

いくら資金の出所がライブドアマーケティング社であったとしても、正しく法規に乗っ取って運用されていたファンドであったとすれば、証取法違反を追求できるかは微妙になるであろうが、どうか。

その他のポイントは下記かと思う。

●平成15年第3四半期のライブドアマーケティング社の決算短信の粉飾性立証。
●12時間夜通し行った大規模な家宅捜索の目的は、囁かれるライブドアとダイナシティあるいは暴力団関連とのカネの流れなど、證券取引法違反以外の案件にまで及ぶのか否か
●宮内氏、熊谷氏等ライブドア幹部および堀江氏の実質的関与が立証されるか否か
●今日だけで時価総額を1000億円下げたとされるライブドアグループの今後の資金繰。

それにしてもスポーツ紙。

堀江逮捕

とか

堀江逮捕

とか

堀江逮捕へ?

っていうあの見出しは止めてくれ。何度やられてもひっかかる。
皆でやっかんでつぶせばいいというものではない。そういうものではないだろう。


また書く。

【参考記事】
●カテゴリー「ライブドア」

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Comments

この事件、法律の解釈の問題であるように思いますが、マスコミがホリエモン、ライブドア=悪という構図を作り上げ、
法律を断定的に報じている部分がとても気になります。

ホリエモンはもちろんライブドアでこの件を取り仕切った宮内氏他は、そこまでアホではないよなあと、見ているほうが冷めてしまいますよね。

今晩は。最初の強制捜査の名目にした、投資事業組合を媒介にした「風説流布」と「偽計取引」は、法的には微妙。時間をかけて法廷に持ち込んでも有罪に出来るかどうかはわかれるとことろだと思います。ところが、踏み込んで内部資料を押収して、粉飾決算が出てきた。いわゆる別件逮捕のようなもので、最初の疑惑は証拠を押さえるための口実だったような気がしますね。

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