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April 21, 2006

業界パーティでもたまには面白い話に出会う

業界の立食パーティなんて、行ったってどうせ適宜に飲んで、適宜に食べて、そんなことばかりしていると気が引けるので、思い出したように名刺交換して、自己満足して。その後それが何かの仕事に繋がったなんて経験はないし、どうせそんなもんよということなのだけれど、先日某所でお会いした社長の話は面白く、立ったまま長話をして聞き入ってしまった。

というのも、彼の会社では、いわゆる「ニート」だとか「引きこもり」だとか言われる若者たちに会社を「フリースクール」的に開放し、一定の水準を取得するとそのまま全員採用するという、摩訶不思議な採用方法というか、社会貢献というか、そういうことをしているというのだ。

その話によれば、その会社に通うことを希望した若者は、机とパソコン、そしてネット接続を提供される。原則として毎日通ってくるように言われるが、もちろ ん拘束はない。給与も出ない。1日中パソコンで遊んでいてもいいが、社員プログラマーから少しずつプログラミングの基礎を学んで、一定の時間経過後にその スキルを認められれば就職と、そういう仕組みだ。若者にしてみれば、コンピュータの専門学校に行けば高額の授業料がかかるところが、無料で技術が学べ、就 職までできる。会社側としてみれば、一発勝負の面接で決めるよりも、長い期間その人物を見ることができるので、安心感があるという。

会社内にそうしてブラブラした若者を迎える社員の側はどうかと言えば、最初は戸惑いがあったようだけれど、最近はすっかり慣れてしまったということだ。もちろん現業が優先なので、忙しいときには、指導ができない。そういうときには、「ちょっと待ってて」「わかりました」となる。若者は、先輩社員が手があくまで、横でゲームなどしながら待っていたりする。へー。なんとも想像するだに不思議な、しかしどこか暖かい風景ではないか。

ニートや引きこもりだけではない。先日は工業高校の校長を定年退職した方が、この仕組みで見事に60代を超えてプログラマーとして採用されたそうだ。これを20人足らずの企業で行っているというから、実際には大変なことだと思う。

そんな話を聞いて、なんとなく気になったので帰ってから検索してみたら、いくつか記事が出てきた。

企業宣伝のためのヨイショ記事だと思われると良くないので、敢えてこのサイトでは会社名は伏せる。下記の記事に書かれているのが、僕が話を聞いた社長の企業だ。

「性別、年齢はもちろん、職歴に空白期間がどれだけあろうと一切問わない」。XXX市のシステム開発会社「XXXX」社長のXXXXXは言い切る。若者の就業支援に取り組む地元の民間非営利団体(NPO)の活動に共鳴。言葉通りに門戸を開いた採用を2005年2月から始めた。
 試験はなし。希望者は社員を先生役に基本的なプログラムが組めるようになるまで研修、意欲と気合が見えれば正社員に迎える。若者四人を採用したが「朝礼で話すのがつらい」「優秀な後輩が入社した」と二人辞め、一人は勉強をやり直したいとして「研修生」に逆戻り。二十二歳の元専門学校生だけが残った。
 「正社員になることを意気に感じる世代ではない。定着率も高くない」。XXは難しさを認めながらも「一度辞めても帰ってくればいい。門は常に開いている」と話す。毎朝出勤できるか、仲間として一緒に働けるか。能力ではなく社会人としての「規範」を守れるかを気にかける。現在も十三人の研修生を抱え、試行錯誤が続く。
(中国新聞より)

この会社は小さい会社なのだけれど、大企業がこの仕組みで採用を始めるとずいぶん多くの若者が、新たに雇用のチャンスを得るのではないか。優秀な開発者は企業からは常に必要とされているが、キャリアパスを手に入れるのは容易ではない。職を持っていない若者が自費で高度なプログラミング技術を手に入れられるわけでもない。
ほんの少し企業が姿勢を変えてくれるだけでも、互いにとってずいぶんと視界が開けてくるなら、こうした試みが広がることは歓迎すべきことだと思った。日本の技術者不足を解決する上でも有益だし、また既に就社している技術者に指導をさせることで、コミュニケーション能力を高める効果も期待できるではないか。だが残念ながら、社長の話によればこの仕組みを採用している企業は大小問わずほとんどないそうだ。

どうだろう。考えてみては。

(学生インターンは類似の制度だが、少し実質が違う)

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Comments

フロント企業が飛びつきそう。
半官半民でできないかなー。

こんにちは。
お久しぶりです。
このブログそのものが関わるかなり先鋭的な
問題がちっとも収まっていないため、
何となく書き込まないでいました
(結構忙しかったりもしましたが)。

そんな状況の中ですが、
このエントリーはものすごく興味深かったです。

完全に営利目的で活動している企業が、
こんな公共の利益に結びつきうる試みをしているという。
「自由市場」というものは、
こんなものをも生みうる可能性があるのかと。
ニート若者雇用だけでなく、
高齢者の再雇用までカバーしてしまう。

これって、ものすごいことじゃないですか?

正直、現在不遇をかこつ僕としては、
まだまだこの世界は捨てたものじゃないな、って、
なんだかものすごく希望が湧いてきました。

今回のエントリー、すさまじいインパクトを感じます。

全く例のことと関係のないエントリーを読んで気に入って頂けたのならうれしいですね。笑)
で、この会社は検索エンジンで調べる限りほとんど地元以外では知られていないんです。もう少し詳しい話をお聞きする機会があるといいと思っています。

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