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August 31, 2006

「ゴミため」から投げつけられた毒饅頭----オーマイニュースは大丈夫なのか(2)

●堀江ライブドアと何が違うのか--自由の名のもとに

広告収入を確保するために、係累のアクセス数を確保する必要があり、そのために1人でも多くの市民記者を募っているに過ぎないと「オーマイニュース」を切って捨ててしまったらおそらく鳥越編集長からも、大株主の孫正義氏からも異論が出ることだろう。

孫正義氏は「Web2.0時代が呼んだ新メディア 自由のプラットホームづくりで意気投合」
という表題の記事の中で、このように語っている。

呉代表とお会いして早々、私たちは意気投合することができた。インターネットの将来性、そしてインターネットだからこそできる新しいメディアの形について議論し、あるべき理想像について語り合った。そして私は、呉代表の掲げるコンセプト、つまり「市民みんなが記者」、「21世紀における言論の自由のプラットホームをつくる」という考えに全面的に賛同し、オーマイニュース日本版の立ち上げに出資することを決めた。

Web2.0という言葉は大変に便利な言葉である。専門記者が独占していた言論や報道を、「全ての人」に開放し、相互に流通させさえすれば、Web2.0的であるということになり、何か特別な価値があるように見える。このように「特権」を一般に開放してしまうと、質はともかく、世に記事を書きたい人は ごまんといるから、表面上は活気が溢れ、あたかも何か新しい価値が実現化されている過程のように見える。社会をより活性化し、我々自身をも、よりよい方向に変えていってくれるようにも思える。だが、本当にそうなのだろうか。

かつてライブドアの堀江貴文氏は、ライブドアニュースの創設に当たって、こんなことを言っていた。

ライブドアは、「市民記者」を募集し、自らのサイトのニュースに自前の記事を載せ始めている。
その規模を拡大し、既存メディアの情報も取り込みつつ、ニュースサイトを充実させていくつもりだという。
そして、新聞を発行し、そこでアクセス数が多い記事を紙面に載せていく。
人気のある記事は大きく扱い、そうでないものは載らない。
その扱いは、もっぱらサイトの読者の人気ランキングにより、新聞社の価値判断は一切入れない。

(堀江氏)
「(新聞は)人気がなければ消えていく、人気が上がれば大きく扱われる。完全に市場原理。我々は、操作をせずに、読み手と書き手をマッチングさせるだけ。」(「江川昭子ジャーナル-「新聞・テレビを殺します」 ~ライブドアのメディア戦略」)

その後ライブドアニュースは、ライブドア自体の崩壊と言う、堀江が予想しなかった大カタストロフィに直面し、それなりの役割を果たしたとは思っている。だが、旧メディアに身を置き、限りなくノーリスクの十分な資本とバックを有するネット報道機関の編集長に就任した鳥越氏は、一体今何を考えているのだろうか。あの騒動のとき、鳥越氏はライブドアを拝金主義として厳しく批判していたように記憶しているが、鳥越氏と堀江氏の考え方の差異がどこにあるのか、あるいはオーマイニュースとライブドアニュースの差異はどこなのか、これを読む限り俄かにはわからない。

いずれも「人気に応じて」掲載順位や場所が変わる。編集部の持っている統制力は既存メディアに比べて著しく低く、市場原理という新しい「神」が報道の倫理よりも重視される。原稿料は押さえられ、記事は自由の名の下に放任される。それがWeb2.0時代の参加型ジャーナリズムの避けられない共通の実態なのだろうか。

「オーマイニュース」の特徴は敢えて言えば、これに加えて、鳥越氏が盛んに「実名性」を持ち上げていることぐらいである。
一体、「実名性」が本当に記事の質を担保できると鳥越編集長は思っているのだろうか。「釣り疑惑記事」に関しても、「お粗末な留学生記事」に関しても、初日以来の混乱に関して編集部からの適切なメッセージは今のところ何一つ出ていないために、こうした事態への反省がどの程度部内で起きているのかも、窺うことができない。


●記事は一体どのようにチェックされているのか。リスクを許す編集姿勢。


「オーマイニュース」編集長の鳥越俊太郎氏ら、報道陣と一問一答 「政治的・思想的に偏りが生じる心配はない」

――誰でも市民記者として登録できるということだが、特定の団体・企業に所属する人が、自らの利益につながるような記事を投稿する可能性はないのか?

鳥越氏:可能性としてはある。編集部が、そういった記事を見逃すこともあるかもしれないが、ある程度は判断できる。ある一定の方向を持った記事が大量に投稿されたら、おかしいとわかるからだ。その際は何らかの処置が必要になる。その判断ができないようでは、我々もプロではない。

という鳥越氏の自信を見事に裏切り「ためにする記事」は堂々と「プロの」チェックを潜り抜けた。「大量に」投稿されなくても、記事一つ一つをしっかりとしたプロが厳しく読んでいさえすれば、おそらく当該の記事にしても「何かがおかしい」ことには気がついたはずだと思う。一体誰がどのように読んでいるのか。

これに関して驚いたのは、初日の「釣り疑惑記事」よりも、むしろその後出た、その疑惑を指摘する記事のほうである。それは編集部の「良心」を示すものであるから、というわけではない。その掲載までのスピードである。

問題の記事「 インターネット上ではびこる浅はかなナショナリズム この国の未来を支える若者の論理は・・・」は2006-08-28 09:00に掲載され、その疑惑を指摘する「2ちゃんねらーに釣られたオーマイニュース編集部」は2006-08-29 16:24 に掲載されている。
最初の記事の掲載から1日半ほどで、それと全く反対の事実を主張する記事が掲載されているのである。で、いずれも編集部が掲載許可を与えたものであることはもちろん言うまでもないだろう。
「2ちゃんねるに釣られた・・」は先の記事の重大な問題を指摘する記事にも関わらず、これもいとも簡単に掲載された。

そもそも、この掲載許可のシステムはどうなっているのだろうか。

糾弾の記事を書いた本名 広男と思われる人物は、その告発の証拠として、ネットに市民記者のログイン画面を公開している。(現在は見る事ができないようだが、市民記者に登録した人であればよくご存知だろう)
市民記者の記事投稿は、おそらくこの管理画面から行われ、このままだと非公開の状態であり、それを編集部が別の管理画面で下読みをするのだろう。下読みで問題がなければ、承認の手続きを行い、あらかじめ決まっているカテゴリーに従って、毎日一定量の記事が公開されていくのであろうと予測される。

問題は、この「下読み」の時間と、それを行うスタッフの人数と質である。その具体的なプロセスは公開されていないが、(つまりどのような観点で、何重のチェックがなされるのか等)鳥越編集長は、 「異なる意見戦う場に~創刊にあたって」でこう言っている。


 オーマイニュースの第一の合い言葉は「市民みんなが記者」です。とはいえ、これまで記事を書いた経験もなく果たして記者活動が出来るのだろうか? 先ずは皆がそう思いますよねぇ。何を書いたらいいのかしら?

 確かに新聞記者は少しづつ経験を積んでプロの記者になって行きます。私も記者一年目は何をどう書いていいものやら頭を悩ましていました。書いた原稿をデスクに赤字を入れられる位ならまだいい方で、何度も破り捨てられてクズ籠行きもありました。でも、どうでしょうか、書くという行為は普通の市民なら何らかの形でやっている行為ですよね。

 確かに同じ専門家といっても医者が手術をするように市民が手術をするというのはこりゃ、ちょっとありえませんがね。書くのなら別に事実関係がしっかりしていて文意が分かればいいんじゃないでしょうか?


「書くのなら別に事実関係がしっかりしていて文意が分かればいいんじゃないでしょうか?」 

本当にそうだろうか?

こうしたフレンドリーだけれど大甘な編集長の姿勢が、オーマイニュースで次から次へと凡記事を量産する、編集部の下読みのチェック体制の甘さに繋がってきていないだろうか。

むしろ自分が市民記者であれば、素人扱いされて「何でもいいからユー書いちゃいな」などと言われるよりも、長年プロフェッショナルの世界で戦ってきた鳥越氏他編集部のキャリアある記者たちの「厳しいチェックの目」を、環境を求めるのではないだろうか。少しの嘘でも見抜かれるぞ、力を抜いた記事、何が言いたいのかわからない記事、個人ブログの隅に書いておけばいいような記事は「オーマイニュース」には通用しないぞ。そういう緊張感を持たせることが必要なのではないだろうか。

そう思われることが、紙面のレベル向上に繋がり、さらには今回のような問題記事をみすみすスルーさせるような体たらくからの脱却に繋がり、結果的にオーマイニュースの長期的な発展につながるのではないだろうか。

実名論議よりも重要なことはあるのではないか。

リスクに関する話をもう少し続けようと思う。

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Comments

 折角連続して取り上げるんであれば、悪いこた言わないから読者投稿の現場を取材しときなさいって。実態を知らずに理想論ばっかり述べてもしょうがないでしょ。
 と言ってみるテスト。

ドーゾ、お使い下さい。

http://ctlg.national.jp/product/info.do?pg=04&hb=ER430P

>>ハナ毛さん

読者投稿の現場じゃないですけれど、これに関連して今週1本取材する予定。

>>アマゾンさん


> 初期費用なし!入力作業でお金になります!

このトラバ・・・何か意図があってこの記事に貼られたのかね、それともただのスパムかね?

深読みしちゃうよ。

イザ!ブログから流れてきました。イザではhitoraajpで書いてます。ブログは準備中っす。いやいや皆さん釣られてますなー(笑)イザ!でもいっときこの記事は叩かれてましたがもうけっこう冷め気味ですよ。BigBangさんともあろうお方が興奮しちゃ駄目ですよ。あれは俺の幼馴染の男のことを書いてる記事のです。そいつに聞いたところ。幼馴染もこの記者も右派っす。昨日までアクセス上位1位2位の記事はあれは完全釣り記事模様。ははっ。俺も釣られました。

>これに関連して今週1本取材する予定。

がむばって

一連の騒動が全部、オーマイニュース側の釣りで、
アクセス数と認知度を稼ぐのが目的なのでは?

とか思いましたw

>>一連の騒動が全部、オーマイニュース側の釣りで、
アクセス数と認知度を稼ぐのが目的なのでは?

私もそう思いましたよ。広告費はオーマイニュースに行くのですし。
ニュースサイトが無難で荒れない記事を書いても存在する意味もなし。
ウヨサヨネタは最強。ブログ書いてたらどんなネタが「釣れる」かわかってくるでしょう。


初めまして。talleyrandと申します。トラックバックさせていただきました。
早くも自分の所属団体の運動を宣伝する記事が掲載されていましたね。
ニュースメディアを謳うのであれば、少なくともこの類の記事は避けたほうが良いと思うのですが。今のままだと、「『声』欄化」が進んでいきそうです。

今晩は。確かに一連の騒ぎのせいでアクセス数は相当に上っているようですが、こういう一時的なアクセスは広告効果には繋がらないのは、クライアントや代理店も馬鹿じゃないんで、じっと見ていると思いますよ。質の問題もありますしね、イメージも気にすると思います。

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