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November 26, 2006

オーマイニュースの編集長講評に思う。---「2ちゃんねらーという輩」とは一体誰なのか。

オーマイニュースは、毎月1回「市民記者の記事の中から特に秀逸の記事を発表する「月間市民記者賞」」の発表を行っているが、先ごろ10月分の発表が行われた。そのうち、音羽理史記者の以下の記事を松本洋平記者と併せて「編集長賞」に選出した。

       10月の「月間市民記者賞」発表  編集長賞は音羽記者と松本記者に
       (オーマイニュース)

■音羽理史記者
「死ぬ死ぬ詐欺・まとめサイト」の卑劣さを考える
「死ぬ死ぬ詐欺」記事の反響に答える
「死ぬ死ぬ詐欺」問題で見えてきたこと
★受賞理由……3本を一連の記事として見ました。コメント欄での批判や雑言などにひるむことなく自分の主張を貫き、生命の尊厳を訴えた説得力ある内容を高く評価しました。

とあり、その後鳥越編集長が以下のコメントをつけている。

■音羽記者の受賞記事について

 匿名の書き込み掲示板「2ちゃんねる」のいわゆる「2ちゃんねらー」と称する輩に敢然と正面から論戦を挑んだ音羽記者の「死ぬ死ぬ詐欺・まとめサイトの卑劣さを考える」が出色ですね。この記事のいいところは、感情的にならずに自分が分からないところは「分からない」と言いつつ、「2ちゃんねらー」の言い分の最大の卑劣さを「君たちは心臓病の恐怖を一度でも味わったことはあるのか?」というかたちで、間違いなく今病気に冒されている患者のことを推測と憶測だけで攻撃する「2ちゃんねらー」と称する連中の弱点をずばっと切っている点ですね。(■■鳥越俊太郎編集長・講評■■より)

鳥越編集長の反2ちゃんねらーぶりが遺憾なく発揮された講評であり、短い講評の中で「いわゆる2ちゃんねらーと称する輩」「2ちゃんねらーの言い分の最大の卑劣さ」「2ちゃんねらーと称する連中の弱点」など3度にわたって「2ちゃんねらー」への敵対的とも思える表現が使われている。編集長賞の理由は、この鳥越氏の「敵」2ちゃんねらーに対して果敢に戦いを挑んで一歩も引かなかった音羽記者を評価したというような趣旨であるといってよかろう。

僕は、いわゆる「死ぬ死ぬ詐欺」の件に関して、それほど仔細に追っているわけではない。「難病」に犯されたわが子を助けたい藁にもすがる家族の思いという「絶対の正義」の行為の裏で、「死ぬ死ぬ詐欺・まとめサイト」などというものが作られ、家族の私生活や年収、資産などといったプライバシーが槍玉にあげられて批判される風潮は、言いがたい抵抗を感じるし、音羽記者の記事の基本的な問題意識に大きな異議はない。


しかし、この騒動は「私」と「公共」に関する奥深い問題点を表象している面も否めない。つまり、私的な困難に遭遇したとき、我々一般市民はどこまで公共からの援助を期待できるか、それも手法として半私的な活動(募金など)によって手術資金を得ることが、絶対の是として社会的に受け入れられるのかという問題である。

ネットでは既に過去になったと言ってもよい騒動であり、追っていないといいながらこれ以上、この件の仔細に踏み込むのはやめるが、要は「死ぬ死ぬ詐欺」という一見野卑な言葉が表象しているところにも、一定の社会的議論の成立する余地はあると思うのである。

ところが、鳥越講評では、これらの公・私の境界領域における問題意識をとらえず、ただひたすら「罵倒する命を軽視する2ちゃんねらーという輩」と一言で切り捨ててしまっている。まあ、この件に関してこの人にいくら批判をしてもせんないことは、以前の「2ちゃんゴミ捨て場」発言で露呈しているのであるが、それにしても非常に違和感を感じるのは、鳥越氏に「輩」呼ばわりされている多くは、音羽記者の記事にコメントをつけた人たちであり、彼らが確かに「2ちゃんねらーという輩」に分類される共通の属性を所持し、時には論外の質の低いコメントを繰り返したとしても、一方で彼らはオーマイニュースの読者であり、また「オピニオン会員」というポジションを与えたのは編集部自身であるという点である。
また、音羽記者に寄せられたコメントの全てが、罵倒コメントではなく、中には先にあげたような議論に発展できる余地のあるものも含まれている。その人々を一刀両断に「2ちゃんねらーという輩」などといった紋切り型の表現で切って捨てていいものだろうか。


※オーマイニュースでは今、このコメントが許されるオピニオン会員を、市民記者に統合していこうという動きの中で大騒ぎになっており、ここでもオピニオン会員=匿名の卑怯な言論者(2ちゃんねらーに通じる)を封じていこうという動きが見られる。このあたりの動きは「非常勤編集委員」である佐々木氏の以下の記事に詳しいが、また別の機会に触れる。


CNET Japan Blog - 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点:平野日出木さん、本当にそれでいいんですか?(上)(下)
http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2006/11/post_8.html
http://blog.japan.cnet.com/sasaki/2006/11/post_9.html

2ちゃんねるで誰ともつかない匿名の言論者に罵倒を浴びることや、個人情報をばら撒かれる不快感は、僕自身も最近嫌というほど味わっており、これらの行為の温床となっている2ちゃんねるの根源的欠点については、非常に問題点を感じている者であるが、それでも私は2ちゃんねるで発言している人たちを十羽一絡げに「2ちゃんねらーという輩」などという乱暴な属性付与で表現しようとは思わない。

どのようなコミュニティにあっても、非難されるべき行動に出るのはごく一部の人々であり、それらをもって、あるいはそれらを許した制度的問題点が仮に2ちゃんねるというコミュニティにあったとしても、そこに集う全ての人々に同じレッテルを付与するがごとき言動が、公的なシーンで編集長の口から無防備に出てくるというのは、いかにもまずいしお粗末ですらある。
なぜこの機をとらえて、より公的領域に議論を止揚・昇華できないかと、そこが残念でたまらない。

おおよそ、国家や民族といったレイヤーに場面を変えて考えてみれば「ユダヤ人といった輩」とか「在日朝鮮人などという連中は」と語っているに等しく、そうしたレイヤーで語られれば、自分が如何に乱暴な思考停止を行っているか、鳥越編集長にもわかりそうなものであるが。

それがジャーナリストとしての想像力というものではないのか。


「輩」とは一体誰なのか。

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Comments

「死ね死ね詐欺」じゃなくて
「死ぬ死ぬ詐欺」ですよ(^ ^)

>ゆーすけさん

おっと失礼!!修正しました。(死ね死ねじゃ単なる脅迫だ・・・)

音羽記者が受賞した事から察するに
「最悪板に専用スレが立つぐらいの2ちゃんねるの負の部分を煮詰めたようなコテハン」の人は
「2ちゃんねらーという輩」には含まれないというのがオーマイの見解のようです

朝日新聞にも記事が出ましたね。
相変わらずですなあw
http://dat.2chan.net/19/src/1166319503036.jpg

オーマイの朝日の記事については今夜エントリーをあげる予定です。

「死ね死ね詐欺」まだ直ってないところがあります。

>死ぬ死ぬ
すません。修正しました。

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