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April 07, 2007

都知事選で選管が映像削除要求---ではYouTubeに公平に投稿したらどうなる

選挙になれば、YouTubeの存在が波紋となるであろうことは前から予想されていたわけであるが、東京都知事選で「ある候補者」の政見放送(ご存じの方はご存じの通り)が「爆発的ヒット」となり、ついに選管を動かす事態となっている。

東京都知事選に立候補したある候補者の政見放送が、3月末にYouTubeに投稿された。当選の可能性が薄い“泡沫候補”だったが、特徴的な外見や話し方、過激な内容がネット上で話題になり、再生回数は、削除されるまでの約1週間で50万回以上に上った。削除後も同じ動画がさまざまな動画投稿サイトにアップされ、それぞれ数万回~10万回ほど再生されている。

選管困惑…都知事選“泡沫候補”がYouTubeで浮上 Web2.0が選挙を変える?(iza)

で、ついに削除依頼がされた。

都選管は5日夜、AmebaVisionとYouTubeに投稿された政見放送動画計65件を削除するよう申し入れた。AmebaVisionを運営するサイバーエージェントは6日、「特定の候補者の政見放送だけが自由に閲覧できる状況は不公平」などとし、該当の動画を削除した。

 東京都選挙管理委員会(都選管)は4月5日夜、動画投稿サイト「YouTube」「AmebaVision」に対して、両サイトに投稿されている都知事選候補者の政見放送を削除するよう申し入れた。AmebaVisionを運営するサイバーエージェントは6日、「特定の候補者の政見放送だけが自由に閲覧できる状況は不公平」などとし、該当の動画を削除した。


AmebaVisionで政見放送削除 都選管が依頼、YouTubeも(ITmedia)

「特定の候補者の政見放送」だけが自由に見られることが問題になるのであれば、全候補者の政見放送をアップしてしまえば、問題は消えるのだろうか。と考えたのは私だけではないはずであるが、そういう問題だけではないらしい。

法規的に問題となると考えられるのは、公職選挙法の2つの条文(146条、151条)。前者は、ネット選挙自由化の観点から、かねてから改正が唱えられているが、昨年の異様な盛り上がりが覚めたのか、参院選までの隠し玉なのか、結局実施されずに今日に至っているおなじみの条項。

(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)

第146条 何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもつてするを問わず、第142条(文書図画の頒布)又は第143条(文書図画の掲示)の禁止を免れる行為として、公職の候補者の氏名若しくはシンボル・マーク、政党その他の政治団体の名称又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し又は掲示することができない。

都知事選に見られるように、選挙期間内にマニフェストはくるくる変えることができても、ホームページを更新することが実質上できないという馬鹿げた事態が続いているくらいだからね。しかしウェブサイトは「文書図画の配布」にあたるという解釈が苦しいながらも流通していたわけだが、YouTubeが「文書図画」であるという解釈は難しかろう。

そこで、むしろ151条が問題になろう。

(選挙運動放送の制限)

第151条の5 何人も、この法律に規定する場合を除く外、放送設備(広告放送設備、共同聴取用放送設備その他の有線電気通信設備を含む。)を使用して、選挙運動のために放送をし又は放送をさせることができない

しかしここでも問題がある。では、YouTubeのような動画サイトは放送設備なのか?投稿された動画を誰にでも閲覧できるような状態にはしているが、これは「放送設備を利用して放送する」という概念には馴染まないように思われる。そもそもYouTubeを「放送設備」を備えた放送局であると断じれば、放送法の兼ね合いが出てくるから、ややこしいことになってくる。公職選挙法以前に放送法に違反してるじゃんとね。

そこで選管が持ち出してきたのが

「特定の候補者の政見放送だけが自由に閲覧できる状況は不公平」

というクレーム。教育的指導みたいなもんか。まあ、やめておいてくださいよというような感じ。ただ、これも先に述べたように「公平性が実現」されてしまえば、突っ込みどころがなくなる。ニヤニヤして眺めてばかりいてもしょうがないのだが。


本日現在、YouTubeを見る限り、「問題の候補」の政見放送が84件も依然としてアップされている状況である。(AmebaVisionではすべて削除されているようである)

夏の参院選の前に、はっきりとした法的整備が求められていると思う。

【参考リンク】

●世耕vs鈴木vsひろゆきネット選挙座談会---茨の道でも進むしかないのだ(BigBang)

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Comments

>「公平性が実現」されてしまえば、突っ込みどころがなくなる。

YouTubeのようにアクセスランキングを公表している場合、
「第138条の3 (人気投票の公表の禁止)」が効いてくる
でしょうね。

じゃあ、選挙管理委員会のHPで掲載すれば……とも思いますが、
都知事選ならともかく、国政選挙レベルだと、対応できる能力を
全国の各選管が持っているとは思えません。

候補者がそれぞれのHPで、という時代になると、DDOS攻撃が
行われたりして、なかなか派手なことになるんじゃないかと。

公選法が時代遅れなのは全く同意なのですが、運用レベルでは
面倒がうんざりするほどあるだろうなと。

>公選法が時代遅れなのは全く同意なのですが、運用レベルでは面倒がうんざりするほどあるだろうなと。

どうも。情報戦・諜報戦が激化したところで耐えられるリテラシーはまだ存在していませんね。我々の側にも。
そのあたりが、ひろゆきの言っていた「茨の道」だと思うわけですが、これはどうにも後戻りはできないと思うのですね。少しずつでも進んでいかなければ他に選択肢はないかと。

考えているうちに長くなってしまったのと、論点が明後日のほうにいってしまったので、エントリにしてTBしました。ご容赦を。

全くですねえ。
ところで、誰の政見放送が問題になったんですか?
良かったら教えてください。

>yetanotherさん

読みました。おっしゃることはわかりますが、それであれば、公示期間の意味がおぼろげになりませんか?もちろん、普段の心掛けは大事ですが。


>kubokawaさん

いやだめですってば。自分で探してください。w
2ちゃんででも探せばすぐかと。っていうかAnotherBで書くかもだけど。

政治家にとって選挙期間なんて、フルマラソンの最後のトラックの部分じゃないのか、と、ふと思ったんです。ラストスパートでなりふりかまわず全力疾走するのはいいけど、それまでの42kmちゃんと走ってきたのかと。

とりあえず、スタジアムのすぐ外で着替えて走り出して、ゴールしましたってのはやめてよ。そのためにトラック整備するのばかばかしいじゃん……。

あれこれやっかいがあるなあ、でも踏み越えて行かないとなあ、と考えているうちに、なんかそんな具合に悲観的になった週末だったのでした。

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