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May 06, 2013

「女性手帳」への違和感 --異なるものを認めない国


政府が、女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発する「女性手帳」(仮称)の導入を検討していることが4日、わかった。医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙いだ。6月に発表する「骨太の方針」に盛り込む方向で調整している。
医学的に妊娠・出産には適齢期(25~35歳前後)があるとされる。加齢に伴って卵子が老化し、30代後半からは妊娠しにくくなったり、不妊治療の効果が得られにくくなることも明らかになっているが、学校教育で取り上げられていない。

 女性手帳では、30歳半ばまでの妊娠・出産を推奨し、結婚や出産を人生設計の中に組み込む重要性を指摘する。ただ、個人の選択もあるため、啓発レベルにとどめる。内閣府はまた、経済事情などを理由になかなか結婚に踏み切れない状況の改善にも取り組む方針で、新婚夫婦への大胆な財政支援に乗り出す。
 
日本という国家にとって少子化への政治的対策が必要なことまでは認めるが、現在の状況は人々がみな心から家族を持ちたくない、子どもを産みたくないと思うようになったから生じているとも思えない。むしろ「家族を持ちたい」「子どもを産みたい」という希望を持つ多くの人たちが社会的・経済的要因から踏み切れずにいると考えるのが順当だと思う。
それが自由民主党の手にかかると、それらの人たちへの環境整備や支援ではなく何でこういう国家管理的かつ啓蒙的な方向に行くのか。気持ちの悪さを凄く感じる。あたかも女性たちの「意識改革」がこれら環境整備と同等あるいはそれ以上に要因となっているように考えているようであり唖然とする。
子どもを持ちたいと思いながら様々な環境要因で持てないでいる人たちに対し国家ができることがあれば支援するのは当然だろう。一方でまたこういう人生観を持たない人もいる。それは本人の意志である場合もあればそうでない場合もあるが、「女性手帳」のような考え方はそれらの人たちへの配慮も欠いている。


そもそも人生設計は個人の自由の領域であり、極めて個人的な事柄である。国はこれらを支援する立場であり、指導する立場ではない。根本的なところで深刻な思い違いがあると思う。ツイッターでも多くの人たちから違和感が寄せられている。

自由民主党という政党は同性愛、独身主義、夫婦別姓などの「標準外」に対してことごとくネガティブ。家族を作らない者や子のできない者に対しても本当は精神の奥底で冷淡だが、ただ時代の要請上仕方なくある程度まで妥協しているとしか思えない。心の底では「まともな」結婚と出産をして家族単位で国家に奉仕してこそ、日本は強くなると心から考えている。それは彼らの憲法改正草案に家族の存在を強く打ち出そうという伝統的な姿勢の中にも現れている。(彼らはかれこれ60年以上も同じことを言っているのだ)

社会あるいは国に対して個人の権利を要求するばかりで何も責務を果たさないというのはおかしいのではないかという考え方はある程度は理解する。しかしその「責務」の内容は一律である必要はない。結婚して家族を作り子どもを産む。そして税金を払いながら次世代を教育する。そうしたかたちで貢献する人はそうすればいいが、そうでない人の貢献のあり方もある。そうした生き方を選ばない。あるいは何らかの理由で選べない人たちのあり方である。

国家的な大災害において東北の地に向かい、現地の人たちに手を差し伸べたのは若い人たちが多かったが、家族を持たず、あるいは定職を持たず自由に生きる人たちが多かった。時間やお金の都合がつけやすい人たちが多く重要な役割を担った。社会貢献というのは家族をつくり子をつくることだけではない。逆に言えば家族をつくっただけで社会や国に対しての貢献が終わりというわけでもない。

多種多様な人たちが多種多様な生き方の中で互いを補完し合う国こそが、結果的にはあなたたちの愛するもっとも強い国家に近づくはずであり、そうした自由な生き方を保証する国こそが幸福度の高い国になるはずだと思う。実際この地球でそうした国にもっとも近い社会として北欧の国々があり高い幸福度を実現している。

改憲草案然り、女性手帳然り、それらはみな同じ者たちの精神から生まれてきている。
異なるものを心に抱える人たちは彼らと徹底して戦うしかないと思う。これも国への貢献である。

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