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April 21, 2018

完全なる性の不完全

「完全な男性性」というものがあるのかどうかは知らないし、「完全なる女性性」についてはもっとわからない。わからない上でいうと、その「完全なる男性性」(を設定すると)は女性のことなどわからない。理解できない。共感もない。その上こうした「完全なる男性性」は現在の日本社会では、批判されるどころか権力機構のなかで守られ正当化され、むしろ崇められている。男は完全なる男になれと言われ、女性も同様。大相撲もセクハラもその発露の一例。

つまり単一の性に極度に依存することは、「国粋的性主義者」のようなものを、(男の側だけではなく)両性に作り上げる危険がある。これがトランスジェンダーの人達がポジションをとらなければ社会が是正されない根拠の一つだと思っているし、知的であるとかないとかの基準の一つはあらゆるものに対してトランス的な立場を取れるかどうかではないかな。性だけではない。国籍も民族も。貧富もだ。

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April 20, 2018

決断と勇気と、報道とは何であるかということ--ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書

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アメリカのベトナム戦争政策に決定的な影響を及ぼしたマクマナラ文書を巡る、ニクソンとNewYorkTimes、そして当時は1地方紙でしかなかったワシントンポスト、特にワシントンポストの社主(メリル・ストリープ)と、その敏腕記者(トム・ハンクス)の戦いを軸に描いた秀作。スティーブン・スピルバーグが、トランプ政権の元で米国の報道の自由が脅かされる今、どうしても世に問いたかった作品と言われる。

マクナマラ文書を巡る両報道機関と政権の行き詰まる攻防を描くが、何と言っても、優秀な夫を早くに失い、周りから期待されない「普通の主婦」でありながら、ワシントンポストの命運を握ることになったメリル・ストリープのギリギリの選択が見所。

社交界の延長の感覚で、「明らかに能力がない」と思われながら社主に就いた彼女が、トムハンクス演じる、真実の前には一歩も引かない自社の敏腕記者に強烈に影響され、やがて重大な決意を命を賭けて断行する。
報道とは何なのか、時の政権に対する報道人の矜恃とは何なのか、全ての人が胸に問いかけるだろうし、もしも人生の重大な岐路に立っているなら、己が姿とメリル・ストリープを重ねるだろう。もちろんメディア関係者なら絶対に見て欲しい。

スピルバーグが念頭においたのは、2018年の米国であるが、我らは、政権の中心高級官僚が報道機関の女性記者に対しての進行形の振る舞い、そしてモリカケにおける重大な政権の不誠実と、官僚の腐敗、偽装。その事実の前にある。ベトナム戦争に大打撃を与えてついに撤退へと追い込んだかつての報道人たちの苦しみを前にして、我らは何を重視し、何を考えなければならないのか。
古めかしい活版から手で活字を拾い、ギリギリのタイミングで強烈に輪転機を回し、衝撃を社会に拡散していく当時の新聞社の描写も良い。

地味だけれど大変な秀作である。強くお薦めする。

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April 15, 2018

ナイフのような心理劇-木漏れ日に泳ぐ魚




一般に小説はタイトルでかなり内容を想像させられる。強烈なタイトルのものは自ずと中身の刺激性に期待をするのだけれど、この小説は穏やかとも見えるタイトルに加え、ありきたりの設定かと思えるようなスタートで、中盤から後半の強烈さをとても想像できない。限られた登場人物による、それも一歩先も読めない緊張感のある心理劇のよう。ナイフのような切れ味が各所にある。

あとがきで鴻上さんが恋愛についての物語であると語っているけれど、それは一部でしかなく、人の記憶と観念と、もっと恐ろしい何かについて描かれている気がする。

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April 13, 2018

赤い血の出ない人はない

彼女はある種の洗脳状態にあったのだと思う。それが覚めた。人は人であり、徹底的な非「人」はいないし、体を切り裂いて赤い血の出ない人もいない。
超常的な夢のようなミステリアスな「女」を求める層がいて、それを作り出して売る側がいる。

アラーキーに本当はこんな陳腐な図式は当てはめたくはなかった。だがそう思いたがっていた自分もまた、人のことを人として考えていなかったのかもしれない。


アラーキーの「ミューズ」と呼ばれた私のこれから。KaoRiさんが語る、告白後の心境

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