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June 15, 2018

1F視察に参加した

機会あって1F視察に参加した。

1Fにも普通の日常の時間が流れていた。視察はバスから降りられないけれど、私服のまま。マスクも配られない。今では靴も何も覆わない。作業員も特別な地域以外はみな軽装で、そのせいか風景に深刻さがない。

話には聞いていたけれど敷地はとてつもなく膨大で巨大。どこかの企業の大工場のようだ。1000個もある1000㎥汚染水タンクも、あの中にあっては少しも大きい気がしない。

海の方向を見ていると4つの原発建屋の頭が見えてくる。敷地は汚染水タンクや免震棟よりはるかに低い。海ギリギリに建っている。

原発は壊れたので改築されているビル群のようだった。後から設置されたパネルの間から邪悪なあの日の瓦礫の傷口はのぞくけれど、なにすぐに直りますよとすましているようだった。
バスを降りてすたすたとあの建物の中に入っていったら、程なくして自分は死ぬのだという実感が持てない。ここまで来てもリアリティがない。

「傷は燃料デブリで汚染水は血液だ。血液を止めないと傷は治らないんですよとある社会学者が言ってまして。いや面白いことを言うものだと思いました」

と解説の合間にふっとそんなことを言ったのは東電の案内役だ。こうやって抜き出すと不謹慎のようだけれど、彼らの目には原発は傷ついた大きな獣で、その血を止めるために自分たちは必死になっていると言いたかったんだろうな。可愛がっていた大きな獣が病んでいる。人は病む前の穏やかだった獣を知らない。彼らが毎日愛でて可愛がって世話をしていた。それがある日突然狂った。

でも血液を止めれば傷が治るというのはそれは違う。と自分は思った。汚染水を止めたところで、燃料デブリは取り出せないからだ。

あまり注目されていないが、こいつがこの国を救ったのだと思った。6号機のディーゼル発電機。

1-5号機の発電機が全てタービン建屋の、こともあろうに地下に設置されていたのに、6号機のための土地だけが低地になかったことが幸いした。6号機のディーゼル発電機だけは小高い丘の上に立っていて、最後まで止まることはなかったので、5,6号機の冷却が続けられた。この発電機も動かなかったら、もしも他の5機のように低い場所にあったら、6機の原発が全滅していた。

1Fにも多くの東電の女子社員が働いていることも改めて知った。山と積まれた積算線量計のデリバリーとか、見学者のケアなどは彼女たちが一生懸命やってくれる。Tepcoの制服を着た女子を、しかも1Fで見るのは当然初めてだから、ちょっと印象的だった。

バス中の最高線量は2-3号機の間で270μSV/h。

今日の視察参加者の積算被ばく量は0.1mSv。

「歯科医でレントゲンを2回かけたくらいの量です」

東電の案内役が言った。

※中にいるときは、何を見ても心が動かなかったのに、後から一つ一つの風景を思い出すと動悸が激しくなる。

(東電が撮った写真が来たら改めて全体をまとめます)

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