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February 20, 2005

ロバートキャパのこと---キャパ・イン・カラー

capa2

「キャパ・イン・カラー」の最終日に日本橋三越まで風邪を押して行って来た。
会場に着いて驚いた。いくら最終日とは言え、こんなに沢山の人たちが押し寄せていて、100メートル以上の行列ができてており、入場制限をしていたのですよ。信じられます?
カラーで撮影された写真は、白黒で撮影された彼の代表作に比べれば、インパクトは少ないけれど、最近プリントされただけあって非常に美しく、あの世界大戦の風景を昨日の事のように蘇らせてくれていた。
そういう意味で「キャパ、良く撮ってくれていた!」と言いたい気分だった。戦闘機や護衛船団の油の匂いまで感じられるような鮮明さ。モノクロのキャパの世界とはまた違った世界がそこにはあった。

特に1954年に撮影されたかつての日本の風景は、極めて興味深く、多くの人がその写真群の前で足を止めていた。

キャパの年譜もいまさらながらじっくりと眺めるのは初めてで、ブダペスト→ベルリン→パリ→インドシナと放浪したキャパの人生に、ほんの少しであったが改めて向き合った。
「ロバート・キャパ」とは元々恋人のゲルダ・タローと、エンドレ・フリードマン(キャパの本名)とが、「売り込むため」に生み出した架空のカメラマンだったということを初めて知った。キャパが本名ではないのは知っていたけれどね。このゲルダ・タローの名前が、あの岡本太郎からとられていることは周知の通り。当時のパリは世界中から才能が集っていたのだ。

ゲルダは、キャパに先んじて、スペイン内戦の最中、撤退中の共和国軍の戦車に轢かれ死去。

最愛の人を失ったキャパの嘆き、そしてその後の人生をも綴ったDVD「CAPA in Love & War」(前から見たかったDVDだ)が会場の出口のところで上映されており、そのあまりの迫力(素晴らしいドキュメンタリーだと思います)に、多くの人が立ち去ることもせず、見入っていた。

「CAPA in Love & War」を見てぼろぼろ泣いているなんて恥ずかしいことこの上ない。周りにはいない。

capa1

私的な思いはともかく、これほど多くの人が、身じろぎもせずに、50年も前の出来事に見入っている。その事実に(自分もそこにいるにも関わらず)驚くとともに、一筋の希望を感じた。

世界にも、そして自分にもだ。

みんな、頑張ろう。

ロバートキャパのこと---倒れたものと変わったもの

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Comments

BigBanさま
はじめまして。TBありがとうございました。

100mの行列ですか。いえいえ信じられます!
そして、わたしも「Love&War」でぼろぼろ泣きました!
時間があまりなくて、全部は見られなかったのですけど、すごく感動しました。
わたしも「ラブアンドウォー」とかカタカナでかいたので、きちんと直しておきます。(^^;;;

ついでといっては失礼ですが、他の記事もとても興味深く拝見しました。うれしい出会いをありがとうございました。

こんばんは。
トラックバックしていただいてありがとうございました。

私は平日に行く事が出来たので、
ゆっくりじっくり見ることが出来ました。
すごいですね、入場制限ですか…。

つい感情移入してしまいます、彼の人生に。

はじめまして

トラックバックありがとうございます。

最終日はそんなに混んでいたのですね。
僕は初日に行ったので出口のビデオのコーナー以外は比較的空いていたので3往復程度行ったり来たりして見ていました。

とても感動した写真展でした。

しづくさん、はじめまして。

サイトでも触れておられましたが、カラーフィルムの感度のせいもあるようですが、どれも抜けるような青空に、淡々と整備をしたり進軍したりしている兵士達の姿が印象的でしたね。
モノクロの、ノルマンディ上陸作戦のような、泥まみれの進軍写真をキャパのものとして見慣れている私には大変に新鮮でした。

しかし美しくても、泥まみれであっても、戦いは戦いであったのですよね。

今後ともよろしくお願いします。


今晩は、レアンさん。始めまして。
レアンさんのサイトを拝見したら

>写真展の入り口でHPプリンタのデモをやっていたのが不思議だったのですが帰って来てPC Watchの記事を良く読んだらHPのプリンタ「HP Designjet 130」でプリントしたんですね。
>普通の写真とは違うなーとは思ったもののインクジェットプリンタとは気付きませんでした。

という記事を見て、ようやくHPのプリンタで出したのだということに気がつきました。インクジェットなのですか。すごい描写力ですね。
何しろ黒山の人だかりで立ち止まるのもままならなくて。確認もできませんでした。

もっとすいているときにくればよかったと思う反面、記事にも書きましたが、これだけの人たちが見に来ているんだという思いに、何か心強さのようなものを感じたのも確かです。

今後ともよろしく、です。

こんにちは。
私もキャパ展へ行きたかった(泣)
「ちょっとピンぼけ」で印象に残っているのは、キャパが人民戦線で戦場を共にしたスペイン人の兵士とともにパリに帰っていくところですね。
ああいう瞬間が人生の一コマにあったということが、非常に羨ましく感じました。

DVDぜひ見てみたいです。


お久しぶりです。主義者Yさん。
入院しておられたんですよね?大変でしたね・・
(お見舞いも申し遅れまして・・・)
キャパ展は、初日に図版が裏焼きになってしまって、大変だったようです。次第はまた。

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