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March 03, 2005

権威と常識の顔をかぶったオトナの、底の知れない非常識の不気味2--堤義明逮捕

だいぶ前であるが、以前

「権威と常識の顔をかぶったオトナの、底の知れない非常識の不気味--堤義明と渡辺恒雄」

というエントリーをアップし、堤義明という人物の底の知れない非常識の不気味について書いた。その堤氏がとうとう本日証取法違反容疑で逮捕された。
思えば、名義記載の偽装が明らかになった時点での堤氏の記者会見ほど、不気味であったものはない。

「どうしてこういう風になっていたかわからないんですが・・・昔からこうなっていた」

とか

「大学に入ってすぐに経営に携わったので・・(常識がなかった)」

これはこの世の人の言葉ですか?
茫洋と人事のように述べている姿には、どこか別の世界を漂っているような存在感の無さが漂っていた。
(大学を出てすぐに経営に携わったのなら逆にわかるはずだろ!キャリア長いんだから!)

今週の週刊文春には、全盛期の堤氏の取締役会での後姿が掲載されているが、印象深いのは直立して深々と堤氏に頭を下げる、父ほどの年齢の「大番頭」達の姿である。
おそらくこの形態では、彼に物を申すなどということができた人物がいたのかどうかさえ疑わしいし、彼自身も先代堤康次郎の深い呪縛の中にあったとしか思えない。
いったいこの金正日体制顔負けの馬鹿げた体制に、分別のあるオトナ達が粛々と従っていた、その心理の病はなにか?

してみれば、このような時節をわきまえない「異常な支配」がまかり通っていた集団の長に、私達はIOC会長なり、 西武ライオンズのオーナーなりの、「高い社会的地位」を与えていたわけであり、今更ながらこの世の「構造としての非常識」も何とかならないものかと思う。

つまり、資本主義である以上やむを得ないのは百も承知であるが、経済的成功(果たしてそれは成功と言えたのか?偽装された「上場」企業という、膨大な欺瞞が発見されなかっただけのことではないか!)を収めるということと、この社会における重責のあるポジションを持たせるということの間には、それ相応の「境界」があっても然るべきではないのか?ということである。

古く「noblesse oblige」を持ち出すまでもないであろうが、高い地位や身分に伴う義務が伴うはずだということである。
もっとも、これは専ら「人間的徳」といった、いわばモラルの次元での話であり、今の堤氏に漂っているのは、精神病理の世界に近い、ある種の「非常識」だと私は思っているので、これとはまた次元の違った問題のようにも思えてくる。


カネが物を言うこの世の論理に代わるものは本当にないのか。
まだ人が、あなたが探し得ていないだけであって、単に見えないだけなのではないか。

高い経済的成功を収めた人物のこうも情けない姿を目にすると、そうした思いが去らない。

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Comments

TBありがとうございました。
実は、この記事はBigBanさんにTBしようと思っていましたが、昨晩書き終わった後で忘れてしまいました。すみません(笑)。遅ればせながらTB致します。良きにせよ、悪しきにせよ、あまり偉大なる父親を持たない方がいいですね。

こんばんは。
バブル最盛期の頃、西武セゾングループの仕事に携わることは当時広告業界に身をおいていた私の誇りでした。
バブル崩壊は、そのまま、西武セゾングループという大きな企業に失望していく過程でもありましたが、(いつか詳しく書きたいと思いますが)清二氏にも、義明氏に負けない滑稽なまでの「権威主義」があり、取り巻きまでもが威張り散らかすといった体制がありました。

猪瀬直樹氏の「ミカドの肖像」は、こうした堤家のカルマについて、当時としては極めて明確に書きつくした、今思えば大変な本だったと思っています。

お読みになったでしょうか?

西武セゾンの広告に関わっておられた方でしたか。あの頃の西武セゾンの広告はアートでもあったと思います。広告にパワーがありました。

15年ぐらい前、当時、西武セゾンには専門職枠で、特定の企業ではなくグループ内全体で職場を選択できる就職制度がありまして、大学の学部を卒業して僕はそれのマーケティングの専門職枠に応募しました。二次選考で落ちたのですが、あの時受かっていればセゾンで働いていたと思います。あの頃、西武セゾンは、時代の最先端を走っていたと思います。店内を歩いているだけでも多くを学ぶことができました。今思えば、西武セゾンがあったおかげて、いい学生時代を過ごせたと思っています。僕のブログの「深夜のNews」という名前は、井上陽水の「最後のNews」と辻井喬の「深夜の読書」からもってきました。

「ミカドの肖像」も「土地の神話」も読みました。義明氏の土地への執着と天皇制をめぐる話が非常に興味深いものでした。

こんばんは。何かアイデアが出ないとき、よく池袋店の中を歩きました。何もかもが新鮮で、新しく勢いがありました。
バブルの幸せな時間です。

堤清二会長へのプレゼンテーションで、前の夜にパースを3回も書き直したりしたのも、遠い思い出です。

威圧感のあるグループ、非民主的な体制を作ってしまったことでは兄弟共通の「康次郎の血」という感じがいたします。

セゾンもそういう感じだったのですね。西武百貨店にしろパルコにしろ、あの時代のセゾンは文化を作り出す気概があったように、私などはその頃は田舎の子供でしたが、感じます。
その中にいらっしゃったとは尊敬です。
田舎のちょっと背伸びした子供がどれだけセゾン的なものに憧れたことでしょう。私もそういうひとりでした。
しかし内部にいらっしゃれば内部にしか見えないどろどろとしたものもあったのですね。
清二氏と義明氏はシーソーゲームのようで、どちらかが持ち上げられればどちらかが叩かれる、どちらかが叩かれればどちらかが持ち上がる、みたいになっているようですが、どちらも康次郎氏の子供ということには違いないのですね。

来ていただいたんですね。standpoin1989さん。
西武百貨店は、サンシャイン内に構える営業企画部が全ての戦略を担っていました。
私は、池袋店の店舗プロモーション担当でしたから、マスメディアで露出する華々しいコピーワークや、グラフィックのさ中にいたわけではありません。
ですが、堤清二さんのところまで、誰の声も届かなかったのが末期の実情です。
取り巻きが、おそらく彼の目を封じてしまったと思っています。

いつかこのころのことは、書き残したいと思いますが、しかし年がわかってしまいますね・・・こういう話で・・(汗)

TBありがとうございます。堤さんは本当に不思議な人ですよねぇ。こういう人がオーナーという立場にいるだけで尊敬されてしまうということに、私は少し恐怖を感じます。

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