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July 21, 2005

アポロが月に行ったことを含め、確かなことは何一つない。

aporo

今から36年前。1969年7月20日。アポロ11号が月面に着陸した年だ。

あの騒然たる1969年。月面の「静かの海」にアームストロングが降り立ったのだ。この日ばかりは、全ての日常生活を、とりあえず停止することが許された記憶がある。おそらく日本中の小学校で、職場で、この世離れした宇宙飛行士がスローモーションのように月面にふわりと降り立ち、星条旗を立てた映像を食い入るように見つめていたはずだ。その瞬間だけは、この世界の喧騒は暫しの間凍りつき、全ての動きを止めた。

月面に立てられた星条旗は、なびかなくて滑稽な気がした。風が無いのだから、空気がないのだから当たり前だ。

アポロ11号は、人類が初めて、月に足跡を残したときに利用した宇宙船である。アポロ計画で8番目(有人では5番目)に打ち上げられた。地球から打ち上げるために利用したロケットはサターンV型、月着陸船をイーグル、月の軌道を周回する司令船をコロンビアと呼ぶ。
船長のニール・アームストロング、司令船パイロットのマイケル・コリンズ、着陸船パイロットのエドウィン・"バズ"・オルドリンの3名が乗り込んだこの宇宙船は、1969年7月16日9時32分(現地時間、以下同)、アメリカ合衆国のケネディ宇宙センターにて打ち上げられ、7月20日4時17分40秒に月の静かの海に着陸した。
7月20日22時56分15秒、船長のニール・アームストロングが、人類で初めて月面に足跡を残した栄誉を手に入れる。そのときの第一声は「これは一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ。」であった。
その後、2時間30分あまりの月面活動を経て、7月21日13時54分に月面を出発。7月24日12時50分に無事に地球に帰還した。なお、帰還の際、アポロ11号は月面に立てた星条旗を噴射によって吹き飛ばした。  (以上Wikipediaより)

と思っていたら、星条旗が確かになびいていたという証言をしている人もいる。これがいわゆる「アポロ計画捏造説」の一つの根拠にされているらしい。僕の記憶の中の星条旗は確かに針金を通した、まやかしもののように、動かず水平に静止していたと思うのだが、何しろ遠い遠い過去の記憶だ。定かではない。

アポロはその後17号まで打ち上げられ、飛行中に事故が起こった13号を除く全てが月面着陸に成功している。

だが、1969年の喧騒は、アポロ計画すらかすめさせてしまうようなものだった。


●東大安田講堂陥落

70年安保を目前にして大学紛争のクライマックスを迎えた年。全共闘が占拠していた東大安田講堂に、機動隊8500人と警備車700台が突入。立てこもった500人の学生が火炎瓶や投石で激しく抵抗し、374人が逮捕された。数年に渡って続いた学生運動の気運はこれを機に失速していく。


●新宿フォークゲリラ

毎週土曜日に新宿西口広場で開かれる「反戦フォーク演奏会」(いわゆる「新宿フォークゲリラ」)が、若者たちを中心に大いに盛り上がったが、交通の邪魔になるとして警察から禁止を言い渡された。抗議には7000人もの若者が集まったが、機動隊によって鎮圧され、フォークゲリラは新宿西口から排除された。

そして、僕は東京の小学校で日教組教育にどっぷりとつかり、後に共産党に入党する若い女性の教師から、革命寸前の熱気をまともに授業で受けていたのである。女性教師は、僕たちをいくつかのグループにわけ、班単位で競わせた。班は絶対であり、班の中に落ちこぼれた子供が出れば、それは班全体の責任とされた。
僕達は毎日、毎日、夕方遅くまで、なぜその子が授業を理解できないのか、自分達に彼を救うために何ができるのかを、徹底的に考えて書面で提出することを求められた。

教室には、各教科の成績が班毎に掲示され、棒グラフになっていた。北朝鮮の金日成は、アジアの生んだもっとも優れた政治家であり、北朝鮮は世界でもユニークで希望にあふれた国家を建設していると、授業で教わった。
実際、つい最近まで僕は、この時に受けた北朝鮮への羨望にも似た何ともいえない眩しいような思いから逃れられないでいたのだ。

無残な話である。

あの遠い、遠い記憶。

1970年、日本万国博覧会(大阪万博)開催。そしてその年の6月23日、日米安保条約は自動延長された。

確かなこと。確かなことは何一つ無い。

安保が自動延長されたことの、意味。
アポロが月に行ったことの意味。あるいは行かなかったかもしれないことの意味。
僕が日教組教育を受けていたことの意味。
6422万人を集めた大阪万博の意味。
北朝鮮が理想の国家ではなかったということの意味。

いや、確かなことが一つある。

「僕らが生まれてくるずっとずっと前にはもう、アポロ11号は月に行ったんだってね。」(ポルノグラフィティ)

は、少なくとも僕の世代の歌ではないということだ。


僕は7月19日に生まれた。年は違うが、アポロが月に行く前日だ。

【関連記事】
アポロ11号から36年、今度はGoogleが月に進出~「Google Moon」開始
月面で何が起こったか? ~アポロは本当に月に行ったのか?~

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Comments

お誕生日だったのですね。おめでとうございます。
よい1年である事をお祈りします。

アポロ…確かに月面着陸したって思い込んでいるけれど
わからないですよね 笑 っていうのは冗談ですけど。

小学生の頃、「総括」させられてたなんて。びっくりです。
私は学生の時、ある研究会の講座を取っていて
(思想とかはなく、ただ単位取得のため(^_^;))
その最後が「総括」でした。
あまりにも・・・だったので欠席しましたが(単位は取れました 笑)


ありがとうございます。
相変わらずのひねくれたエントリーにコメントいただいて(苦笑)すみません。

限りなく年齢を暴露してしましまいました。

アポロ計画の「捏造説」はネットでぐぐると、ずいぶんリアルなものまであってちょっと驚きました。米国への「陰謀史観」が、ここへきてちょっと「アポロ捏造」に追い風になっているような気がします。

アポロはともかく、先日の「ディープインパクト」なんて、やっぱり信じられないですものね。日常生活の実感からあまりに遠くて。

              ∩___∩
            /          ヽ 
            | ●    ● |
         彡  (_●_)    ミ    誕生日おめでとうクマ
           /、   |∪|    ,\   鮭の切り身あげるクマ
          /.|   ヽノ    | ヽ
        ,,/-―ー-、, --、  .|_,|
    r-、,'''";;:;;:;::;;;;:;;::;:;:;;::;:;`'- /_,l,,__ )
   |,,ノ;;:;r'" ̄ ̄゛^"`Y'-、;;;::;:;::;:;:;:;::;:|
    .ヽ,′       ;   `"";;;;;⌒゛')
     ´`゛'''''''''''‐-‐'"`‐-‐'"゛  `゛´
              |  .∥ /
            ("___|_`つ


2ch風ですいません…。

あわわ、文字サイズを最小にしてください…。

ありがとう!感激です。
しかもアスキーアートなんて。きれいに見えてますよ!

こんばんは.
あたしも中学時代に先生から聞いたことが,ずっと忘れられません.少し話がずれちゃうんですけど,そのことを書いたエントリーをTBさせていただきました.お邪魔だったら,消しといてください.

追伸:お誕生日おめでとうございます.

今晩は。
ととさん。メッセージをありがとうございました。
小さいとき。幼い子供に教師が与える影響の深さは、年を重ねて初めてわかるところがあると思います。

不思議なもので、かなり成長してから聞いたことは、次々と忘れていきます。ぼくの場合。

サイトのほうにもコメントさせていただきます。

私も小学生の時にアポロの月面着陸、テレビで見たクチです。そして、若い女教師に「総括」もさせられましたが、別に組合員じゃなかったもよう。当時の教育界の「流行」だったんでしょう。「偏差値」とか「ゆとり教育」と同じく--。
「連帯責任」は集団を管理する上で極めて有効な手段です。(もちろん今でも)それは映画「フルメタル・ジャケット」の前半でダメダメに太っちょ新兵がいかに更生したか、という過程によく描かれていると思います。(いささかネタズレ?)

今晩は。さわやか革命さん。

>私も小学生の時にアポロの月面着陸、テレビで見たクチです。そして、若い女教師に「総括」もさせられましたが、別に組合員じゃなかったもよう。当時の教育界の「流行」だったんでしょう。「偏差値」とか「ゆとり教育」と同じく--。

今の時代、ある小学校を見る機会があったとき、驚きました。子供たちがてんで勝手に教師に「ため口」(笑)を聞き、授業中もてんで勝手に口を開き、教師に「突っ込んで」いる。
教師もそれを笑って受け流し、ある意味受容している。若い教師も、そうした子供とのスピーディな、テレビ的とも言えるようなやり取りに、すっかり慣れているように見えました。

自分の受けてきた教育と照らして、彼我の差に心底驚いたものです。

私の担任教師は、純粋に「組合員」であり、のちに「党員」になりましたが、次の学年で担任になった教師は数少ない反組合員であり、授業のやりかたのあまりの違いに驚いた記憶があります。

こちらは、集団主義を嫌い、一人一人と直接向き合うような教育者でした。優越を評価する気はありませんが、とにかく違ったということです。

ただ、さわやか革命さんのおっしゃるように、あの時代の「流行」のスタイルであったということも、また確かだと思います。

先日、何年ぶりかで「カプリコン1」を見ました。設定は月ではなく、火星に着陸したことにする映画でした。ここは記憶違い。

当時のコンピュータ技術を想像すると、はやり月着陸には現実味を感じられません。

それにしても小学生に始末書を書かせるとは、すごい教師ですね。私の場合、そこまでひどくはなかったです。その代わり選挙になると、生徒の家に電話をかけまくってましたけど。

むかし教師の勤務評定をめぐって、母校が揺れたそうです。団塊の世代は、その影響を受けているのではないかと思います。それにくらべれば、私の体験など大したことないのかもしれません。

今晩は。

>先日、何年ぶりかで「カプリコン1」を見ました。設定は月ではなく、火星に着陸したことにする映画でした。ここは記憶違い。

そうですよね。僕も何となくアポロの映画かと、勘違いしてたような気がします。そうかあれは火星か・・・

>それにしても小学生に始末書を書かせるとは、すごい教師ですね。私の場合、そこまでひどくはなかったです。その代わり選挙になると、生徒の家に電話をかけまくってましたけど。

うーん。「始末書」とまで言うとまたちょっと違うような気がしますけれどね。ですが、今でこそ批判的に書いていますが、その小柄な女性教師。決して嫌いではなかったんですよ。

当時・・
どうだろうなあ・・・22歳くらいだったんじゃないかなあ。きっと彼女は彼女で、あの時代。騒乱の時代、真剣だったんじゃないかと思います。

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