SNS

My Photo

My List

BooksBooks

無料ブログはココログ

« シングルイシューの行き着く廃墟(2)---わずか数十万人と呼ぶ豪儀な非情 | Main | 投票ラブ・ストーリー?----憂国でアリマス »

September 09, 2005

小泉vs岡田----それでも「危険」は「未熟」より「危険」だと僕は思う

logさんのところ経由でたどり着いた「遠藤浩一覚書」さんの「ギリギリの判断」の論旨が明晰で感服。 

僕自身は、岡田氏の「未熟」より小泉氏の「危険」のはうがややマシだと、苦渋の判断をしてゐるが、「未熟」のはうが「危険」よりマシと考へる人は、今回 民主党に投票するのだらう。民主党に投じる人々は、この政党の未熟がわが国にいかなる災厄をもたらすかについてよくよく考へていただきたい。他方、僕も含 めて、自民党を支持する人々は、この総理の「危険」に連帯責任を負はなければならない。自民党を支持するといふのは、そこまで考へ詰めてのことでなければ ならないと思ふ。この選挙が「愚かにして重要」たる所以である。(「ギリギリの判断」より抜粋)

差し詰め、僕は「未熟」のほうが「危険」よりマシ論、あるいは、それでも「危険」は「未熟」より「危険」論者であろう。問題はたとえ、ぼくが自民党に投票しなくても、結果への連帯責任を免れないということであり、それが選挙制に基づく議会制民主主義という制度のの基本とされていることである。

不快である。    

【参考記事】
シングルイシューの行き着く廃墟(2)---わずか数十万人と呼ぶ豪儀な非情
シングルイシューの行き着く廃墟---ポピュリズムは自ら大衆を愚弄する

« シングルイシューの行き着く廃墟(2)---わずか数十万人と呼ぶ豪儀な非情 | Main | 投票ラブ・ストーリー?----憂国でアリマス »

Comments

わたしの政治スタンスは2チャンネル語でいう左巻き、というより、権威的・権力的なものをからかおうという幼児性でしかないけど(マルクス主義って宗教の一種にみえるし)、投票行動では、ずっと浮動票。支持政党もないし、「筋金入りの無党派だぞ」と思っています。
 ただ、無党派というのは、特定の党にコミットしないことで自分を護る引きこもりの言い訳にはすまいとも思う。自民党の汚職体質も、共産党や公明党のクローズドな体質にも、一定の責任はあるのだろうと思っています。

 新聞紙やTVは「無党派層が増大した」とか「無党派層の動向が決め手」と報じます。また無党派層は無関心層ではなく、政治に関心を持ち、自分の意見を持っている層だともいう。それはそれでいいのですが、無党派層の増大を好もしいように言う一方、政党主導である小選挙区制や政党助成金制度を含む政治改革も、よいことという。政党本位の政治が制度化されることを是とし、政党支持をしないことを明確にする層の増大も是としている。今までの政党のありようをみると、この二つの両立は当然のようにも思えるけれど、よく考えると変な話でもある。「政党」というのはどういうものであるべきかの議論はなく、(人々が任意に結社する限りではどんな政党もありえて、政党のあるべき形を外から決めることはないけど、ここでいうのは政治の全体システムのなかの政党というサブシステムの社会的デザインみたいな話ね)、人々の興味は政治家個々人にあるけど、2大政党による政権交代という政党本位システムは、躊躇なく是とされています。なんか変な感じもします。

 個人的には「危険」は「危険」として扱えば害は無いと思っているので「未熟」より「危険」のほうがマシ論をとっていたり。

 問題はたとえ、自分が「未熟」に投票しなくても、「未熟」が勝った場合、その結果への連帯責任を免れないということであり、それが選挙制に基づく議会制民主主義という制度のの基本とされていることが問題なんじゃないかと。

 と書くと「オウム返しじゃねえか」と怒られそうなんですが、これもまた事実。
 不快であっても、「社会」をこの形態で形成している以上、受け止めるしかないでしょう。
 他に代替案は乏しいのですから。
 まぁ、少なくとも政策で勝負しろと今回の「未熟」側にいいたいですね。講演会いっても大半が自民・小泉批判じゃ、未熟すぎて入れるのにためらいますわ。

下記のブログでは、こんな文言が・・・
http://kumohare.seesaa.net/
>対中韓土下座路線の岡田民主党では韓国は余計に付け上がります。
>中韓に安易に屈しない自民党に清き一票をお願いします。
>間違っても共産党や社民党へは投票をしないようにお願いいたします。
>誇りある日本のために、9.11選挙では必ず自民党に投票してください。
>他の政党では日本は永遠に中韓朝の奴隷にされます。
>韓国のウザイ謝罪賠償要求を断ち切るために有権者のみなさん、
>自民党に投票してください。よろしくお願いいたします。

>アジア外交土下座路線の民主党、社民党、共産党はダメダメです。
>選挙区、比例区共に上記の党には絶対に投票しないでください。

他にも、
>・人権擁護法推進派(総連、民団の味方、媚中韓朝)
>・外国人参政権賛成(総連、民団の味方、媚中韓朝)
>・靖国参拝反対(総連、民団の味方、媚中韓朝)
>・中韓の主張は常に正しい(総連、民団の味方、媚中韓朝)
>・日本は中韓に謝り続けるべき(総連、民団の味方、媚中韓朝)
>・イラク駐留自衛隊の即時撤退(反米)
>・(おそらく)在日米軍撤退要求、自衛隊を骨抜きに(反米、媚中韓朝)
>以上のような売国政党です。絶対に投票は止めましょう。
とか、
>。「中国様が侵略しやすいように日本のみが軍備を軽くしよう」と言わん
>ばかりの社民党、共産党、民主党の一部の意見は、平和主義どころか侵略
>戦争を招く悪魔の思想です。完全なる売国行為です。

とか叫ぶ「自民党信者」って一体何なんでしょうか?

いくら何でも、こういう記述は酷すぎる。これこそ「政党の評価を歪曲してあらぬ方向へ誘導する行為」で公選法にも抵触しそうな代物だと思うが・・・

長文失礼しました。

まとめてのコメントで失礼します。

>>kuronekoさん

どうも。

>人々の興味は政治家個々人にあるけど、2大政党による政権交代という政党本位システムは、躊躇なく是とされています。なんか変な感じもします。

人本位制の議論は、人々の興味というよりメディアが作り出している気がしますね。かつて派閥華やかなりしころには、マスメディアは自民党の派閥を巡る「人間模様」ばかり報道した。政策は「テレビ的」ではないんでしょう。視聴率が取れないと思っているのではないですか?で、今回は刺客、マドンナ、くの一騒ぎ。

>無党派層の増大を好もしいように言う一方、政党主導である小選挙区制や政党助成金制度を含む政治改革も、よいことという。政党本位の政治が制度化されることを是とし、政党支持をしないことを明確にする層の増大も是としている。

ですが別に「無党派層の増大」を「良しとしている」わけでもないと思いますけれど。選挙結果を左右しかねないのは確かなので、重きをおかれるだけであって。


>>まーるさん

>不快であっても、「社会」をこの形態で形成している以上、受け止めるしかないでしょう。

まあ、いきなり唐突に不快であると言っているわけではなく、不快の理由についてはエントリーをあげています。今後もそれを続けるのみ。「受け止める」というのは耐えろということと同義ではないでしょうからね。


>>すがりとおりさん。

これはこのサイトがひどすぎるだけではないのですか?自民党支持者には一般化できないのでは。

お返事どうも。ちょっと議論を発展(になるかどうか)させてくださいな。


>ですが別に「無党派層の増大」を「良しとしている」わけでもないと思いますけれど。選挙結果を左右しかねないのは確かなので、重きをおかれるだけであって。


マスコミに関する一般論としてはその通りなのですが、メディアも一般市民も含めて、政党活動に関わることをどちらかというとネガティブにみているし、「政党」そのものにも関心が薄いような・・・。
 農協や郵便局や中小企業団体の人が自民党員になって地域の支部で活動しても、利益団体、圧力団体と一緒にされそうだし、公明党員(○学会員の活動家は党員なのかな)が選挙に入れ込んだって、「学会は不気味」みたいに思われそう。共産党員が「赤旗」を配っているのも普通の人とは違う奇矯なイメージ。アメリカの大統領予備選の地方党大会でプラカードを掲げて支持者がお祭り騒ぎをしているのはいいイメージですが、日本の政党活動は閉じられた雰囲気だし、多くの人は、政党日常活動に入れこみたがらない。
 報道だって、自民党員(以下、他の党も同じ)が何人いて党費がいくらだから予算はどうだとか、地方の県連はどんな事務所なのかとか、党規約と言うのはどうなって職員はどれぐらいいるのかなどなど、組織としての「政党」に関する情報はあまりないのではと思います。

 政党助成金を貰っている政党が(辞退しようが同様ですが)、もう少し広範な関心を持たれ、公共的な眼差しにさらされてもいいと思うのですが、その情報が少なすぎると感じます。「政策」「人」ばかりでなく、「政党」そのものも見つめられたほうがいい。「政党」の‘イメージ’はあれこれ言われるけど、社会集団、組織としての実体(実態)の情報も欲しいぞ、と思うわけです。


kuronekoさん、どうも。いよいよ今日は投票日・・

議論として、「政党活動」あるいは「政党への傾斜」だけが、特別な意識を持って見られるのではなく、「政治的活動全般」に対しての特別な視線を感じます。
もちろん、あらゆる政治的活動は、党派的にならざるを得ない、あるいは、現状の政治制度の元では基礎的な条件とも言っていいということを前提にしています。

およそNPOであれ、NGOであれ、あらゆる政治的活動は組織的に営まれてこそ、効果をあげることができる。それは基本だと思います。

個人で行う政治的活動・・例えばこのブログなどは、そうでありまして、僕がここでいくら自民党への批判を行っても、民主の一部の方向性を指示したとしても、それは原理的にはまさしく政治的活動ともいえましょうが、実政治に影響を与える効果的な党派的活動の形態をとっていないわけです。
ただし、ブログの場合、TBや泉あいさんの例もあり、新しい時代の「党派的」活動への形態を備えつつあるのも事実です。

話を戻します。
メディアが「無党派」を喧伝するだけでなく、一般の人が「無党派」であることを、特定党派に属している、あるいは共鳴していると公言するに比べれば、より安心感として許容しやすいという事実は確かにあると思いますが、その基本はやはり「政治的活動全般」へのこの国の根強い未熟な抵抗感があってこそといえないでしょうか。

あまり長くするならエントリーにしたほうがいいのですが、特定政党を支持しているにしても自分の属している組合なり企業なりが支持しているからであるとか、隣のなんとかさんから頼まれただとか、政党を支持するにしても「やむをえない必然」によってそうなったとして、「言い訳」を基礎自由にして、「自己責任」を阻却しようとする性質が、長く日本人にあったと思います。

「信念」として政治活動をしている、あるいは「自己が選び取って」特定政党を支援しているというと、どこかこの日本の市民社会からは逸脱したような目で見られる。これが左翼的な言動というフィルターをかけられと「プロ市民」という用語があり、もっと一般的にはあいつは「右翼である」とか「左巻きである」などという言葉で、それだけでは、その人の政治的ポジションを表現しているだけで批判にすらならないのに、相手の活動に色眼鏡をかけてみさせることに成功する。印象操作ですね。

党派的なものへの反感ももちろんあるのかもしれないけれど、その裏にあるのは、もっと広範な一般的政治的活動全般への未成熟の視線ではないかと、僕は見ます。


これにはもちろん、一党独裁が長く続き(笑 あえてこう表現します)正当な政党活動なり政治活動の基本を国家に作りえていない社会、そして公政党側にも問題はありましょうが、われらの意識の「改革」は、そうそう政党やメディアに責任を押しつけず、これこそ「自己責任」で(笑)なされるべきでありましょう。

噛み合いましたかどうか・・・

BigBanさま

 お返事ありがとうございます。投票に行ってきたところです。
 たしかに日本人は政党にとどまらず政治に対しての構えが独特ですね。当事者意識を持たず逃げ回っているというか…。パラサイトポリティクスなんて言うのかな。

 誰かが「日本人は政治家を「堅気」と思っていない」と言ったとか。そういう心理を自分の中にも見出せます。芸能人もヤクザも「かたぎ」じゃないと一種差別する意識がどこかにあって、政治家についても「自分たちとは違う」という心理がどこかにあるようです。

 政治的意見をはっきり言う芸能人、アーティストなども珍しいし…。(ファン層を狭めたくないという意識もあるでしょうが、政治的意見が異なる人間は受け入れないという人が多いこと自体が未熟でしょう)

 
 
  

The comments to this entry are closed.

TrackBack

« シングルイシューの行き着く廃墟(2)---わずか数十万人と呼ぶ豪儀な非情 | Main | 投票ラブ・ストーリー?----憂国でアリマス »

-