サンタクロースを信じていたことは一度も無かった
労せずして、苦しまずして、
働かずして、何も成せずして、
豊かなる国に生まれて、父母に抱かれて
飢えずして、与えずして、
物の意味に辿り着かずして、
人への言葉に思い至らずして、
事への思いを凝らさずして、
目の前にある生ける物を見ずして、
1片のパンがこの世にあることの意味を知らずして、
1億人に背を向けられた夜にも、
1人が振り返る幸を知らずして、
あらゆる涙を知らずして、
降りかかる災いを知らずして、
得体の知れぬ不安を知らずして、
眠れない夜を知らずして、
親しき人の裏切りを知らずして、
1人この世界に立つことの、
全ての恐ろしさを知らずして、
幼いという理由だけで
たったそれだけの理由で
恵みを受け取るというような理不尽は無い。
そう思っていた。
だが、今では少し違う風に思っている。
サンタクロースはもちろん信じていない。
今でも神の言葉は聴こえない。
でも今では、少し違う風に思っているのだ。
うまく表現できるまではまだ時間がかかるけれど。
でも少しだけ。
少しだけ違う風に思っているんだよ。
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