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January 24, 2006

堀江氏逮捕---今再び「堀江貴文の病理」について

既に逮捕は秒読みに入っていたが、それでも早くて今週中かと思っていた。それが今日の午後、事情聴取から逮捕へと一気に進んだ情勢に驚いている。敏速に事件を一定の段階へと収拾することで市場を早く平静な状態に戻そうという思惑が、捜査当局筋にもあるのだろうか。

本人や宮内取締役が今回の事態を予想できていたとは思えないが、ネットではだいぶ前からライブドアに対する立ち入り捜査が始まるのではないかという噂はあった。特に耐震偽装事件の前後からは、不動産関連の関連会社とからめて、古くからある、この企業と暴力団との関係に言及したエントリーが急速に目立つようになっていた。予想できた事態とまでは言う気はないが、「何ともいえないおかしなムード」が感じられていたとは思う。もっともこの結果から逆にそう思えるだけかもしれないが。ライブドア側では何の動きも察知していなかったのであろうか。

今年の初めあるいはもっと早い段階でライブドアの経営陣が、水面下で進行していた東京地検のいささかなりとも「不穏な」雰囲気に気がついていれば、ほかの対応もあったのではないかと思われる。さらに古く、捜査の端緒となった投資組合の件を言うなら、せめて民法上の組合ではなく、前にここでも言及した事業有限責任組合法(ファンド法)に基づいた、法人格のある組合方式で投資を扱い、売却利益に関してきっちり配分する方法をとっていれば、ここまで露骨な商法違反に問われることは避けられたかもしれないと思う。ライブドアとも別組織であることを、もっと明確に会計区分することもできたはずである。この点において、堀江氏や宮内氏はあまりにも楽観的で脇が甘かったと思う。

もちろん、証拠を握りつぶせば良かったと言うつもりはない。手先のテクニックでより巧妙に切り抜けるべきだったとも言うつもりはない。ただ分岐点はいくつもあったはずだということだ。

この企業と堀江貴文氏の「病理」は遥か昔から始まっていた。

Googleで「堀江貴文」と入力すると、僕がおよそ1年前に書いた「堀江貴文の病理------カネが全てではない理由の考察」が9番目に表示される。それよりも上に並んでいるのは本人の社長日記や、Wikipediaしかない。どういうわけかこの状態が長く続いているので、毎日ここから大量の「堀江貴文」検索アクセスが来る。特に今夜の逮捕情報の後には、アクセス数が急速に増大している。

我田引水で恐縮だが、今この記事を自分で読み返しても、今回の事態は「起きるべくして起きた悲劇」としか思えない。

大きな声で「カネが大事で何が悪い」と叫ぶ者への批判を、私たちの社会は忘れた。
ではカネで支配できないものとは何か。代表格は「芸術」であろうし「思想」であろう。あるいは「平和」であり「愛」であり、「健康」かもしれない。
だがそれさえもおそらく彼は言うであろう。「カネで支配できる」と。
しかし、逆説的な真実がある。
それは堀江の執着している「マーケット」こそカネでは支配できないということである。そもそもスケールの並外れた怪物を「金で支配」することなど究極的にはできないのである。
なぜならば、これを金の力のみで支配するのは、それこそ桁外れの「金力」が必要であり、自己資金では到底不可能である。勢いマーケットは「気配」や「風評」といった、ある種の「価値嗜好性」によって、あるいは時に思惑的に動いている。
金で勝負する以外の何者かを意識しないと、ここでの勝負に勝つことはできない。
一番金がモノをいうはずの世界で、実はカネ以外の「何者か」を甘く見ると手痛い洗礼を受ける。堀江は、この「何者か」に決定的に欠けている。(「堀江貴文の病理------カネが全てではない理由の考察」より)

彼の逮捕で若者の「夢」が潰えたと嘆く声も聞かれるけれど、そういう言い方をすれば、夢が潰えたわけではない。そこにあったものは、元々「夢」に紛らわしい形をしていただけで、夢でも何でもなかっただけの話である。従ってこれで何かに絶望する必要も悲観する必要もないと僕は思う。

妬みやそねみと無知に溢れかえった報道の中で、冷静に今夜の事態の本質に目を向けたい。そして、未だ事件の全体像も茫漠としているのだから少し早すぎるかもしれないけれど、この稀有の起業家の本当の意味での再起を期待したいと思う。

何も終わってはいないはずである。
彼にとってもこの社会にとっても、そしてあなたや私にとっても。

厳粛に。

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当該コメントに関して、投稿者のオリジナルではなく他の掲示板からのコピペである旨、通報と抗議がありました。したがって、全面的に削除をさせていただきました。ご了解ください。


僕も若者の「夢」が消えたわけではないと思います。なにも終わっていないです。なぜなら、本当の新しい物事はまだ始まったばかりだと思います。これからなんだと思います。

今晩は。

そうですね。
これから後、大きなことがなければ急速にこの事件もライブドア報道も減っていくでしょう。でも実はおっしゃるとおり、これからが問題で、今回のことも、これからのことも、考え続けていかないといけないと。メディアがもしもやらないならあるいはやれないなら、それを追っていかなければいけないと思っています。

堀江貴文とライブドアの総括には時間がかかります。安易な「夢の終わり」の物語にはしないほうがいいと思います。


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