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February 19, 2006

ITで負けるというのはこういうことを言うのだ。-----堀江メールの真贋騒動

極めて重要な事実を含んでいると思われるメールが、重要証拠として情報筋から届けられたらどうするか。まず間違いなく自分であればそのヘッダを検証しようとするであろう。OutLookやOLEなどでは、標準的出力ではメールヘッダの全てが印刷されない。だが、情報提供者が何らかの形でメールのオリジナルの電子データを持っているのであれば、それは入手することは可能である。ReceivedやMessage-IDを見ることで、昨今の送信者偽装のウィルスメールを見破る場合など、かなりの情報を得ることができる。
Receivedを追っていけばメールがネットワーク上の正しい経路を経て、配信されていることをかなりの確度で確認できるし、送信日時も特定できる。ReceivedにしろMessage-IDも偽装は可能であるが、その偽装行為そのものも安直に行えば、かえって足がつく契機になる。

今回の状況を判断する限りは、メール送信者(堀江氏)ではなく、受信者(想定=ライブドア内で堀江から指示を受けた者)周辺しか、このメールのヘッダ情報まで所持していると思われる者はいないわけであるから、この人物(受信者)にそれを問いただすべきであるというのがまず一点。

また受信者本人以外の人間が持ち込んできたのであれば、その入手経路はどうなるのか。上記の受信者から受け取ったか、あるいはサーバ内に送受信メールのコピーを仕掛けるなど、何らかのハッキングがなされており、関係のない第三者にメールが渡ったということになるが、今回は東京地検がライブドアのメール記録の大半を押さえており、(全てであるかどうかはわからないが)早い段階からこのメールに関する否定的見解を出しているので、新たな情報提供がなければこの可能性も薄い。

一番危惧されるのは、何者かが持ち込んだ質の低い印字されたコピーや、転送されたメールを元にしたプリントから、安易に永田議員がこのメールの信憑性を信じてしまったケースで、そうであれば軽率極まりない行為としか言いようがない。
そうでないのなら、あるいはヘッダを入手できない事情があるのであれば、民主党はそれを一刻も早く説明すべきであろう。その行為が直ちに情報提供者の状態を危険にさらすということにはならないのではないか。なぜならこのメールを公開した時点で既に、情報提供者の周辺は推測される状況にあり、ある種の危険を引き受けているのであり(もしも本物であるとすればであるが)、これ以上の裏付情報を出してもこれ以上危険が増大するとは思えないからである。

これらについて何の確認もされなかったとすれば、どこの誰ともわからぬ人物から事務所に送られてきたファックスによる怪文書をそのまま国会に持ち込んでいるようなものである。もしもそうした類に引っかかったとすれば、永田議員だけではなく、民主党全体の稚拙さが厳しく問われても止むを得ないと思う。こうしたところにも、昨年来言われているこの政党のIT分野への取り組みの遅さ、スキルレベルの低さが端的に現れてしまったと言われてもしょうがない。ITはこうした政争に関して、端的に情報力の弱さとして結びついてしまう。そういう時代である。もしもこの点で軽挙に走ったとすれば民主党は猛省すべきである。

メールがガセであると思われる根拠が2ちゃんねるなどで詳細に提示されている。それらは末尾の参考リンクの先を見てもらいたいが、といっても、堀の字にしろ、メール文の改行にしろ、解釈の余地は残ることばかりであり、どれも決定的なメールガセ論の決め手とするには弱いように思う。ヘッダを確認することに勝る確認手段はない。

それらの検証方法と離れたところで、本文を検証する限り、僕がおかしいと思うのはこの一文である。

項目は、選挙コンサルティング費で処理してね。

このメールは明らかにライブドア本体もしくはグループ内の何者かに、振込を依頼する内容であり、その経費費目として「選挙コンサルティング費」としてくれというのである。しかし、この当時掘江の立候補に関しては、個人の立場で会社とは関係がないということを宮内も言明している。また、会社の費目としてごまかして処理するのであれば、「選挙コンサルティング費」というのはおかしいのであって、通常の裏金支出としては「企画コンサルティング費」などの名称を使うのが常道であろう。

多少企業財務に詳しい人であれば、「選挙コンサルティング費」などというものが企業の支出費目として妥当かどうかなどはすぐにわかるはずである。もっともあれほどの「暴虐」を尽くしたライブドアの財務操作であるから、これも脇の甘いでたらめの一環であると言う見方もあるかもしれないが。
末尾の「堀江」もなにやらとってつけたような表示であり、読めば読むほど意図的に改ざんあるいは作為的に偽装されたものではないかという印象が強い。

こうした「ハプニング」で本来の武部ー堀江ラインの癒着追及から自民党に反撃の隙を与えてしまったとすれば誠に残念である。

【参考リンク】
民主党が公開したメールのPDF
「堀江メール」の真贋鑑定(404 Blog Not Found)
永田メール、追記(finalventの日記)


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Comments

現段階でのメール疑惑については、
情報不足で、憶測・妄想の域を出ませんね。

現状では、状況的には堀江氏本人がメールを
送信する、ということが極めて難しかった、
はずというのがありますね。

仮に「偽」とした場合、
誰が、何の為に、民主党に「偽」メール情報を渡したか?
この議論は、どうなのでしょう?

私は個人的に堀江事件は追っているのですが、「国会」と「メール」の2つのキーワードを見た時点でこの件に関する情報はシャットダウンしましたね。国会にメールを絡ませるなんて欺瞞に嘘を重ねるようなものでしょう。
仕事において曖昧さの象徴みたいなメールが有効活用出来るのは、仕事という確固たる土台があるからこそです。それを忘れて、わけのわからんものにわけのわからんものを掛け合わせるなんて、私にはとても正気とは思えませんね。
私が問題に思うのは、こんな根本的におかしいことをやっておきながら、マスコミぐるみで平気でおかしいことにはまりこんでいく現状です。まるでだまし絵を物理的に解析しようとするようなもので、気持ち悪いだけで到底意味があるとは思えません。趣味としてやる分にはご自由にどうぞ。という部分だと思います。

>mogu_mogu さん

今日あたりの情報で平沢氏にもこのメールが渡っていることと、「フリーライター」なる人物があちこちにこの案件を持ち込んでいたという報道がなされていますね。この人物への持ち込みルートは不明だけれど、平沢氏の黒塗り減版を見れば、妙な@があったり、謎が深まるばかり。一体、@堀江とは何なんだろう??

>Junさん

メールを国会に持ち込むことそのものは、きっちりとした裏づけがされてさえいればありだと思いますよ。実際法廷証拠にも電磁データとしてのメールは採用されています。
今回の問題は、ひとえに永田氏の裏取りの甘さにあるとおもいます。

初めに断らせていただきますが、論証はしませんので参考意見として受け取っていただけたら幸いです。
裏付けがあればありという論法は順序が逆で、”きっちりした裏づけ”があったのならばプリントアウトされたメールなど出さないと思います。裏付けがあるならば、社会一般にこれなら間違いないだろうというコンセンサスが得られる証拠を提出するでしょう。プリントアウトされたメールを出す行為こそが、裏付けがないという事を明確に示唆していると考えます。
また、問題は永田氏個人の問題ではなく、永田氏の暴走を止められなかった民主党の組織的問題であると考えます。
ただ可能性としては、民主党がわざと自民党に隙を見せた上でひっくり返すというストーリーも考えられるので、そういった場合は、私は全面的に負けを認めます。とはいえ、そんな可能性は現実的ではないと思っていますが。

>裏付けがあればありという論法は順序が逆で、”きっちりした裏づけ”があったのならばプリントアウトされたメールなど出さないと思います。裏付けがあるならば、社会一般にこれなら間違いないだろうというコンセンサスが得られる証拠を提出するでしょう。プリントアウトされたメールを出す行為こそが、裏付けがないという事を明確に示唆していると考えます。


国会に当初提示するのはプリントアウトであっても構いません。その一方で

・電磁的データ(もちろんフルヘッダ)を押さえておく

・自己判断ができなければ(できないでしょう)専門家に依頼して、メールの経路等について解析を行っておく。

・できればサーバ側のログの存在について配慮を行っておく

このうちの1つだけでもやってあれば、不完全な証拠であっても、ある程度の圧力になります。全くやっていない(と現在思われる)ところが問題ですね。


>また、問題は永田氏個人の問題ではなく、永田氏の暴走を止められなかった民主党の組織的問題であると考えます。


おっしゃるとおりですね。前原さんには重大な責任があると思います。


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